江戸雪(えどゆき)
1966年~ 大阪府出身 歌人 「塔」短歌会所属 現代歌人協会会員
雨はやみたとえばひとの声のするくろい受話器のような夕闇 『百合オイル』
浮草のあおさつめたさ広がりて日傘まわせば陽がとびちるよ
思い出を確かめながら渡る橋バックシートにCDなげて
今夜わたしは桔梗の声で話すからキャッチホンは無視してください
にわたずみの底光りたりスカートのなかにわたしのサワンは泳ぐ
肺魚へと進化してゆく一瞬が湯にとじこもるわたしにはある
真っ暗なみちしお 花を挿しすぎた花瓶のように君は立ちたり
口シア猫のあおさで抱けば抱きかえす君のにおいは君のかたちだ
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