【結城 哀草果】『7選』 知っておきたい古典~現代短歌!

稲穂

稲穂

結城 哀草果 (ゆうき あいそうか)

1893年~1974年 山形県生まれ。歌人。旧姓は黒沼。結城家の養子となる前の旧姓は黒沼。本名、光三郎。

農業に従事しつつ作歌を志し、土岐善麿(哀果) 編集の「生活と芸術」などに出詠いていた。1914年に同郷の斎藤茂吉に師事し、 「アララギ」に入会。1955年、歌誌『赤光』を創刊。東北の風土や素朴な農民の生活を詠んだ。

八一歳で死去。

結城 哀草果 歌集

1929年 歌集『山麓』 岩波書店

1935年 歌集『すだま』

1946年 歌集『群峰』 札幌青磁社

1947年 歌集『農村風土記』 養徳社

1948年 歌集『まほら』 養徳社

1960年 歌集『おきなぐさ』 豊文社

1971年 歌集『樹蔭山房』 赤光発行所

1972年 歌集『結城哀草果全歌集』 中央企画社

1977年 歌集『樹蔭山房以後』 中央書院

結城 哀草果 短歌

あかがりに露霜つゆじもしみて痛めども妻と稲刈れば心たのしも 『山麓』

入りつ日にしりをならべて百姓ひゃくしゃうら田なかの土を掘りやまずけり  

旅行くと振り返りみれば吾が家の垂水つららしたに妻立ちて居り

木の実と草根をくらめし食はぬ人らは黒きふんたれにけり 『すだま』

貧しさはきはまりつひに歳ごろの娘ことごとく売られし村あり

三月さんぐわつの朝の斑雪はだれはわかれゆく庭土にはつちのうへにひかりつつ消ゆ 『群峰』

仏壇に吾子あこの遺骨のせありて蓋あけみむとときどきおもふ 『まほら』

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