中野 菊夫 (なか のきくお)
1911年~2001年 東京に生まれ。歌人。
国士館中学在学中に石川啄木の歌集を読み、作歌を始める。1932年、鈴木北渓らと「短歌街」を創刊するも1934年、脱退。独立して「七葉樹」創刊。1946年、渡辺順三を助けて「人民短歌」の創刊に参画、編集に携わる。1947年には新歌人集団の結成に参加。 1951年に結社誌「樹木」を創刊。
啄木の影響もあり、歌人集団の中でも生活派の歌が多い。生活実感をベースにした平明な表現の中に、戦後の現実に対する批判精神が見られる。
中野 菊夫 著作
歌集「丹青」「噴煙」「朱雀抄」「風の日に」「水色の皿」「鷹とリス」「集団」「陶の鈴」「西南」「九曜星」「中野菊夫全歌集」
中野 菊夫 短歌
友の子とわが子と分けて一本のミルク飲むさまを妻と見ほるる 『幼子』
焼あとを通りて隣りに遊びにゆくわが子を見をり木にかくるまで
冬の日の日かげの檻の獣らを公園にきて見ずにかへり来 『冬の魚』
灯を消せば朝の微光に浮きてみゆるトルコ桔梗あり仕事終わりぬ
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