睡蓮(スイレン)と未草(ヒツジグサ)
睡蓮はスイレン科の多年性水生植物。 対寒性と熱帯性に分かれ5月中旬~10月にかけて開花します。睡蓮の葉は円形で、切れ込みがあり、艶があります。花は水面上に咲き、花托がなく、細長い花びらが特徴です。
日本に自生するヒツジグサは対寒性で7月~10月に白い花を咲かせます。葉は褐色で斑があります。
睡蓮はハスに似ていますが、違う仲間の植物です。睡蓮の葉が水面に浮かぶのに対し、ハスの葉は水面より上に伸びて咲きます。その他、睡蓮の葉は撥水性は無く、光沢があり、切れ込みが入ります。ハスの葉は光沢が無く、撥水性があり、切れ込みはありません。
睡蓮と未草の短歌
あくがれの色と見し間も束の間の淡々しかり睡蓮の花 土屋文明
この三朝あさなあさなをよそほひし睡蓮の花今朝はひらかず 土屋文明
睡蓮の広葉の上の日ざかりに蒼く太りし蕾はたてり 岡山たづ子
我にこの友らありて来り見つ尾瀬の池塘のひつじ草の花 小市巳世司
ひつじ草白きひつじのごとき花泥炭くさき水にしづまる 生方たつゑ
睡蓮の一花開くを告げながら母に飲食まゐらせむとす 馬場園枝
ひつじ草音立てて花閉ざしたり少し考えを変え立ちあがる 岡井隆
睡蓮の花ひらきたりしまらくのひとりごこちの器なしつつ 島田修二
睡蓮は三日涼しく水の面にそのしろたえの花を浮かべつ 石田比呂志
水紋のひろがる時に睡蓮の夕べ閉ぢたるつぼみ揺らるる 松田さえ子
睡蓮の円錐形の蕾浮く池にざぶざぶと鍬洗うふなり 石川不二子
睡蓮の葉はなまけものひつたりと水面に青き己れを伸べて 奥村晃作
ひつじぐさぽつぽつと咲いてきまぐれに時の束ねし三人家族 永田和宏
曇日のすずしき風に睡蓮の黄花ともしびの如く吹かるる 佐藤佐太郎
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