【ススキ(芒、薄)の短歌】『15選』知っておきたい古典~現代短歌!

ススキ 芒、薄

ススキ 芒、薄

ススキ(芒、薄)

イネ科の多年草で、山野の限らず、高原、草原、道端、空き地などでも見ることができます。 漢字の「薄」「芒」はいずれも「草むら」を意味します。秋の七草の一つで、群生して風になびく様は秋の風物詩です。広く分布している分、変化に富んでおり、斑入りや矮性など多数の園芸品種があります。  

ススキ(芒、薄)短歌

買ひてやる何もなければ蜻蛉飛ぶすすきの原に子を連れてきぬ  太田青丘

正午迫る野の輝きまんなかに男ざくりと青芒切る  今井邦子

世の交はり遠くなりゆくはてにして今朝の尾花のまそほに向ふ  土屋文明

一穂のすすき立つ夜の心すずしい人なる終わり簡素にあらな  坪野哲久

風媒はたのしき秘密、立ち枯れてそよぐ芒の白き旅立ち  河合恒治

雨とほくすぎ日のすきとほる草丘はいちめんにほそきすすきの穂ばかり  片山広子

やがて野に消ゆる茜を穂にとめてひとしほ寒くたち添ふ薄  加藤知多雄

なよぶるはなよびて佳しもけふはいとも纎きうつはに立ちたる芒  森岡貞香

村の子がまつる道べの地蔵盆われも薄の花たてまつる  岡野弘彦

天と地のあはひに何もなきところ銀の薄穂揺るるしづけさ  島田修二

鎮魂のフーガ奏でて故里のすすき穂群に風吹きすぎる  佐藤ヨリ子

青すすき倒して水を飲み終へし四方さやさやと青芒立つ  小中英之

わき水を汲まんと来たり峠より花背へつづく芒たてがみ  永田和宏

すすき原 銀髪をした神たちが秋のひかりを鳴らして笑う  早川志織

秋づけば尾花が上に置く露の消ぬべくも我れは思ほゆるかも  日置長枝娘子

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