【渡辺 順三】『6選』 知っておきたい古典~現代短歌!

コルチカム

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渡辺 順三 (わたなべ じゅんぞう)

1894年~1972年 富山県生まれ。歌人。

13歳のとき上京し家具店の住み込み小僧となった。少年雑誌などに投稿していたが、窪田空穂に師事し「国民文学」の 同人となる。20歳のころ石川啄木の歌に出会い、深く共鳴し啄木を模倣した歌を作り、やがて土岐善麿の作品に影響され、生活派の歌に変わっていく。素朴な歌風で、病と貧困に満ちた16年間の家具店小僧時代の生活を詠ったのが第一歌集『貧乏の歌』である。

 その後、口語短歌運動に加わり、新興歌人連盟に参加。プロレタリア歌人同盟の創立者の一人となった。短歌形式の破壊が主張され、順三も一時期にイデオロギー過剰な短歌的リズムを無視した歌を作った。日本が軍国への道えを進む中で思想弾圧を受け、治安維持法違反の容疑で検挙される。それでも順三は国策に同調する歌は作ることなく戦後を迎えた。1945年、新日本歌人協会の結成に加わる。翌年、機関誌「人民短歌」を創刊。 

渡辺 順三 歌集

1924年 第一歌集『貧乏の歌』

1927年 歌集『生活を歌ふ』

1935年 歌集『世紀の旗』

1936年 歌集『集団行進』

1939年 歌集『烈風の街』

1954年 歌集『日本の地図』

1973年 歌集『歳月重し』

渡辺 順三 短歌

この一夜/遠く口シヤの革命に/心を馳せて友と語れる 『貧乏の歌』

手のひらに堅きタコあり/あはれわが/十六年の錐もむ仕事  

九十日ぶりで持つ/自分の箸よ、茶碗よ/湯気のたつ/白い御飯がこんなにもうまい! 『烈風の街』

百五十尺/二百尺の煙突が立ちならび/黒煙吐くよ/今日の青空に。

うっとうしさは天候だけではないー、くさり果てた日本の政治にはもう飽き飽きした『波動』

わが父祖もかかる嘆きはせざりしよ、基地七百にせばめられ生く

 

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