小野茂樹(おのしげき)
1936年12月15日~1970年5月7日 東京出身。歌人。
高校時代より作歌を始め香川進の「地中海」へ入会。初期には口語自由律短歌を試作していた。
あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ 『羊雲離散』
一日は机上に終り鵞ペン紙ナイフのたぐひねむりゐる蒼
硝子窓をはばたく羽根にうちゆきし鳥と頒てりおどろきの朝を
五線紙にのりさうだなと聞いてゐる遠い電話に弾むきみの声
ことごとくわが生きざまを許さぬとこゑあり扇風機の風旋り来ぬ
沈みゆく夕日の速度うけとめてきみの瞳はふくらみつづく
旋律に和しゆく声にまぎれつつときに遅れて内なる声す
撮影ろいち
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