石田比呂志 (いしだひろし)
1930年~2011年 福岡県出身。 歌人。本名は裕志。
旧制中学中退。石川啄木の『一握の砂』を読んで歌人を志す。1954年、山口県宇部市の土方飯場からの投稿歌が「毎日歌壇」に採用される。職業を40以上転々としたという。
歌は 口語・俗語をも取り入れる自在な詠みぶりで、市井人としての庶民の抒情を 歌い上げてきた。歌一筋の生を貫く歌人。3年ごとに歌集を編む。
「未来」を経て「牙」を主宰。
石田比呂志 短歌
〈職業に貴賤あらず〉と嘘を言うな耐え苦し みて吾は働く 『無用の歌』
人の上に出でざることもようやくに潔しとし涙流れぬ
ゆうぐれの光遍き巷次過ぐ沈く思いは香のごとしも出典 『蝉声集』
はらわたに花のごとくに酒ひらき家のめぐりは雨となりたり 『滴滴』
肝病みて酒絶つ友が店頭の魚に寒く水打ち ている 『九州の傘』
春宵の酒場にひとり酒啜る誰か来んかなあ誰あれも来るな
ふる里に十八年東京に十一年肥後に十一年夢さめて思えば
路上ゆくかの老犬も歳ひとつ積みしかおのれ祝うとてなく 『孑孑』
石田比呂志 著作
- 無用の歌 白玉書房 (1965年)
- 怨 牙短歌会 (1973年)
- 蝉声集 短歌新聞社 (1976年)
- 琅玕 短歌新聞社 (1979年)
- 長酣集 松下書林 (1981年)
- 定型の霜 歌書 牙短歌会 (1982年)
- 鶏肋 不識書院 (1983年)
- 滴滴 現代書房新社 (1986年)
- 九州の傘 砂子屋書房 (1989年)
- 石田比呂志歌集 砂子屋書房 (1990年)
- 孑孑 砂子屋書房 (1992年)
- 老猿 砂子屋書房 (2002年)
- 春灯 砂子屋書房 (2004年)
- 萍泛歌篇―石田比呂志歌集 (2006年)
- 続 石田比呂志歌集 砂子屋書房 (2008年)
- 流塵集―石田比呂志歌集 砂子屋書房 (2008年)
- 邯鄲線 砂子屋書房 (2010年)
- 無用の歌 現代短歌社 (2013年) 〈参考: ウィキペディア〉
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