【春の短歌】『8選』知っておきたい古典~現代短歌!

芝桜

芝桜

春の歌

朝晩は肌寒さがありますが、気候の良い穏やかな季節です。春という語は、草木の芽が「張る」、田畑の開墾の「墾る」、気候の「晴る」などを語源とするという説があります。また、春は生命力が盛んに活動する季節であり、人間の色欲、情欲を意味も持ちます。

古代和歌から現代短歌まで、和歌の歴史をみると、春と秋の歌は、数において夏や冬より多く詠われています。

春の短歌

霞たちの芽も春の雪ふれば花なき里も花ぞちりける  紀貫之

にはとこの新芽を嗅げば青くさしじつにしみじみにはとこ臭し  木下利玄

おぼろめく春の夜中をあわ立ちて生れくるもの数かぎりなし  前川佐美雄

背のびしてくちづけ返す春の夜のこころはあはれみづみづとして  中城ふみ子

いちはつの花咲きいでゝ我目には今年ばかりの春行かんとす  正岡子規

我が涙そゝぎし家に知らぬ人住みてさゞめく春の夜来れば  窪田空穂

診断を今はうたがはず春まひるかたるちし身の影をぞ踏む  明石海人

動乱の春のさかりに見し花ほどすさまじきものは無かりしごとし  斎藤史

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