伊勢 (いせ)
872年頃 ~ 938年頃 平安時代の日本の女性歌人。三十六歌仙のひとり。『古今和歌集』の撰者時代の代表的歌人。『古今和歌集』に22首。勅撰和歌集に176首が入集し、『古今和歌集』『後撰和歌集』に65首。『拾遺和歌集』に25首。女流歌人として最も多い。家集に『伊勢集』がある。
伊勢 和歌
はるがすみたつを見すててゆくかりは花なき里に住みやならへる 『古今和歌集』
難波潟みじかき芦の ふしのまもあはでこの世を過ぐしてよとや 『小倉百人一首』
春霞たつを見すててゆく雁は花なき里に住みやならへる 『古今和歌集』
春ごとに流るる川を花と見て折られぬ水に袖や濡れなむ 『古今和歌集』
宵のまに身を投げはつる夏虫は燃えてや人に逢ふと聞きけむ 『伊勢集』
萩の月ひとへに飽かぬものなれば涙をこめてやどしてぞみる 『伊勢集』
身の憂きをいはばはしたになりぬべし思へば胸のくだけのみする 『伊勢集』
知るといへば枕だにせで寝しものを塵ならぬ名の空にたつらむ 『古今和歌集』
花すすき呼子鳥にもあらねども昔恋しきねをぞなきぬる 『伊勢集』
たちぬはぬ衣きし人もなきものをなに山姫の布さらすらむ 『古今和歌集』
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