
八重咲きクレマチス
在原滋春 (ありわらのしげはる)
在原滋春は、平安時代前期を代表する歌人の一人です。六歌仙・三十六歌仙の一人として名高い在原業平の次男として生まれ、「在次の君(ざいじのきみ)」の名でも知られています。生没年は明確ではありませんが、父業平の活動期から推測すると9世紀後半に活躍したと考えられています。
官職は少将を務め、歌人としての才能を遺憾なく発揮しました。特に『古今和歌集』には6首が入集し、さらに『新勅撰和歌集』にも1首が収められるなど、当時の和歌界で重要な位置を占めていました。また、平安時代を代表する歌物語『大和物語』の作者という説も伝わっています。
父・業平から受け継いだ繊細な感性と独自の詠風で、宮廷和歌の世界に新たな表現をもたらしました。特に恋歌や四季の歌に秀でており、繊細な心情描写と巧みな言葉の選択が特徴とされています。兄の在原棟梁とともに、在原家の歌の伝統を継承・発展させた重要な歌人として評価されています。
在原滋春 和歌
鶴亀も千年ののちは知らなくに飽かぬ心にまかせ果ててむ 『古今和歌集』
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