大島史洋(おおしましよう)
1944年~ 岐阜県出身 昭和後期-平成時代の歌人。本名ふみひろ。
歌誌「未来」選者・運営委員長。現代歌人協会理事長。
大島史洋 短歌
青色の国をおもえばふるさとの湖にただよう黒き雨傘 『藍を走るべし』
アフリカは黄の汗ながすいちにちのめくらむ如き労働のはて
たてがみに風のかなでるアフリカを駆けぬけてゆく白き一騎は
産み終えて仁王のごとき妻の顔うちのめされて吾はありたり 『わが心の帆』
神田川の緋鯉にパンを投げている昼の休みのサラリーマンたち
風船にお父さんの顔は描かれありゴム輪のメガネが貼り付けてある
自意識を諸悪のもとと思うまで畳屋の香につつまれている 『いらかの世界』
だんだんにいやらしくなる考えのどうでもよいけれど抑えがたしも
寝ねぎわにベッドの木枠をたたくときこのメロディーは俺だけが知る『四隣』
杏の実色づきたれど盗る人のなき豊かさというもあわれや 『幽明』
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