西行(さいぎょう)
1118~1190年 平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士であり、僧侶、歌人。 俗名は佐藤 義清(さとう のりきよ)。
『新古今集』に最多入集。 歌風:自然美、自己省察。
おしなべて物を思はぬ人にさへ心をつくる秋のはつ風 『新古今和歌集』
さびしさに堪へたる人のまたもあれな庵並べむ冬の山里 『新古今和歌集』
風になびく富士の煙の空にきえてゆくへも知らぬわが思哉
こゝろなき身にも哀はしられけりしぎたつ沢の秋の夕暮
道のべに清水流るゝ柳かげしばしとてこそ立ちとまりつれ
闇はれて心のそらにすむ月は西の山べやちかくなるらん
わりなしやこほるかけひの水ゆゑにおもひすててしはるのまたるる 『山家集』
年たけて又こゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山 『西行法師家集』
新古今和歌集
鎌倉時代初期に編纂された勅撰和歌集。全二十巻、約二千首。艶麗な歌風で余情美を重んじている。第八番目の勅撰和歌集。略して『新古今集』
『古今和歌集』の伝統を受け継いだ上で新たな方向性を目指す意味で名付けられた。
『万葉集』『古今和歌集』と並んで三大歌風の一つ。
後鳥羽院の院宣によって、撰者は源通具、藤原有家、藤原定家、藤原家隆、藤原雅経、寂蓮の六人が当たるが、実質的中心者は後鳥羽院自身。
各巻の歌はほぼ季節順に並べられ、古代歌人の歌群と当代歌人の歌群が交互に配列されている。長歌は一首もなく、すべて短歌のみで統一されている。
『新古今和歌集』の歌風の特色は、観念を感覚的に形象化する表現にある。
コメント