北原 白秋(きたはら はくしゅう)
1885~1942年 福岡県出身。 詩人、童謡作家、歌人。
童謡作家、歌人と多才な才能をみせた白秋。
詩集も多数。
邪宗門 思ひ出 東京景物詩及其他(のち『雪と花火』と改題する)
畑の祭 真珠抄 白金之独楽 水墨集 海豹と雲 新頌など。
北原白秋 経歴はこちら⇒『北原 白秋』①
北原 白秋 短歌
夏の日はなつかしきかなこころよく梔子の花汗もちてちる
ゆくりなく庚申薔薇の花咲きぬ君を忘れて幾年か経し
天の河棕梠と棕梠との間より幽かに白し蘭けにけらしも 『雲母集』
ある時は赤々と日のそそぎやまぬ首縊りの家を見恍れてみたり
尿すれば金の光のひとすぢがさんさんと落ちて弾きかへすも
大鴉一羽地に下り昼深しそれを眺めてまた一羽来し
寝てきけば春夜のむせび泣くごとしスレート屋根に月の光れる
春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕
ひいやりと剃刀ひとつ落ちてあり鶏頭の花黄なる庭さき
一匙のココアのにほひなつかしく訪ふ身とは知らしたまはじ
人妻のすこし汗ばみ乳をしぼる硝子杯のふちのなつかしきかな
日もすがらひと日監獄の鳩ぽつぽぽつぽぽつぽと物おもはする
名ぐはしき柿生の柿の本柿は果の三つ二つすでに老柿
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