【北沢郁子】『5選』 知っておきたい古典~現代短歌!

ヌマタクチナシ 八重咲き

ヌマタクチナシ 八重咲き

北沢郁子(きたざわいくこ)

1923~2018年 長野県出身。歌人。

結社「古今」に参加、福田栄一に師事する。戦中派世代に属し「女人短歌会」に参加、富小路禎子やとみのこうじよしこ大西民子と交友を結ぶ。 1960年、森村浅香らと同人誌『藍』を創刊、発行人となる。孤高の姿勢と、哀愁を帯びた女の歌を多く作った。

1970年代以降は好対照に明るい女歌おんなうたも多い。1984年、歌集『塵沙』で第9回現代短歌女流賞受賞。

歌集『その人を知らず』『感傷旅行』『柔繭』『菊雛』『夜半の芍薬』『マティスの窓辺』『神の木陰』『神の木陰』『道』など

北沢郁子 短歌

梅雨の雨に咲きつぎ花のつちなしよ死にたるわれの上に置く花

左の頬も向けむと思ふうつむきてブローチの針を胸に刺しつつ 『その人を知らず』

知るかぎりの星の名呼べど応へなし星は下界を眺めぬゆゑに 『桑繭』

白き花への偏執は去りまた来り去りまた来り晩年は来む

深夜放送にリル、リルと呼ぶ歌を聞く探さるるを待ちリルも老いけむ

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