自宅で安心「定期巡回・臨時対応型訪問介護看護」
高齢者や要介護の方が自宅でできるだけ自立した生活を続けるためには、日常的なケアだけでなく、急な体調変化や夜間の緊急対応も欠かせません。そんなニーズに応えるのが「定期巡回・臨時対応型訪問介護看護」です。このサービスは、24時間365日、必要なときに必要なサービスを受けられる地域密着型サービスとして注目されています。
定期的にヘルパーや看護師が自宅を訪問して日常生活支援を行うだけでなく、急な体調不良や転倒などの緊急事態にも迅速に対応します。これにより利用者本人だけでなく、そのご家族も安心して夜間や休日を過ごせるようになります。
定期巡回・臨時対応型訪問介護看護とは?
このサービスは、地域密着型の訪問介護と訪問看護が一体となり、計画的かつ緊急時にも対応可能な体制を整えたものです。利用者は要介護1~5と認定された方が対象で、要支援1・2は対象外となります。
- 定期巡回:あらかじめ決められた時間帯にヘルパーや看護師が自宅へ複数回訪問し、おむつ交換や服薬管理、体位変換、水分補給などの日常生活支援と健康管理を行います。
- 臨時(随時)対応:利用者または家族からの通報に基づき、急変時や転倒など緊急事態に迅速に駆けつけて対応します。
これらのサービスは連携した事業所によって提供される場合もあれば、一体化された事業所で提供される場合もあります。一体型では同じ事業所内で両方のサービスをシームレスに受けられます。
看護師とホームヘルパーの役割分担
ホームヘルパーは主に身体介助や生活援助を担当し、看護師は医療的ケア(点滴管理や傷の処置など)と健康状態の観察を行います。両者が連携することで医療と介護が切れ目なく提供される仕組みです。
利用料金と負担額
利用料金は要介護度によって異なり、おおよそ以下の負担額となります(1割負担の場合)。
要介護度 | 訪問看護あり | 訪問看護なし |
---|---|---|
要介護1 | 約8,255円 | 約5,658円 |
要介護2 | 約12,897円 | 約10,100円 |
要介護3 | 約19,686円 | 約16,769円 |
要介護4 | 約24,268円 | 約21,212円 |
要介護5 | 約29,399円 | 約25,654円 |
地域によって多少異なるため詳細は居住自治体へ確認しましょう。
サービス利用上の注意点
- 地域密着型サービスなので原則として住んでいる市町村内の事業所のみ利用可能です。
- サービス内容には通院乗降等介助(医療機関への移動支援)も含まれる場合があります。これは資格保有運転手による専門的サポートです。
- 家族向け家事代行やペット世話など直接利用者支援以外は対象外となります。
行動プラン:問題解決への具体策
- 現状把握
まず本人の日常生活状況と健康状態を整理し、不安点や困りごとを書き出しましょう。 - ケアマネジャー相談
担当ケアマネジャーに連絡し「定期巡回・臨時対応型訪問介護看護」利用希望を伝えます。 - 事業所選定
居住地内でこのサービス提供可能な事業所リスト入手し比較検討します。 - 初回面談予約
専門職との面談で具体的ケアプラン作成およびスケジュール調整します。 - 契約締結
納得できた内容なら契約し端末貸与など準備開始。 - 家族内共有
誰が何をいつ連絡するか役割分担決め混乱防止策講じましょう。 - 緊急連絡先準備
医療機関・親戚等リスト作成しすぐ取り出せる場所へ保管。 - 継続評価会議実施
数ヶ月ごとに効果検証し改善点話し合いながら質向上図ります。 - 地域包括支援センター活用
困ったことあれば気軽に相談しサポート強化しましょう。
反論および改善策
「地域限定」「要支援不可」の制限について
制度上安全管理等から地域限定が原則ですが利便性面では課題です。今後、市町村間連携促進策検討が望まれます。また要支援者向け類似サービス創設も必要です。
「費用負担」問題
月単位とは異なり都度払いですが一定負担感あり低所得層にはハードル高い面も。減免措置充実や民間保険活用促進が効果的でしょう。
「人員確保」難易度
24時間体制ゆえスタッフ不足懸念大きいですが働き方改革推進やICT活用による効率化、多職種協働推進等が改善策として有効です。
まとめ
「定期巡回・臨時対応型訪問介護看護」は、自宅生活を続けたい高齢者・要介護者、そのご家族に寄り添う先進的かつ重要なサービスです。医療と介護が切れ目なく連携しながら24時間365日サポートすることで、不安軽減だけでなくQOL向上にもつながります。しかしまだ普及途上で課題も多く、「誰でも簡単に使える」段階には至っていません。そのため行政・地域社会・事業所全体で協力して制度充実と質向上へ取り組むことが求められています。
【参考文献・引用元】
定期巡回・随時対応型訪問介護看護【緊急時加算】 – smacare.jp
コメント