風邪による熱にはシマミミズよりフトミミズ。漢方薬では地竜と呼ぶ!

ミミズ

ミミズの今

都会ではあまり見られなくなったミミズですが、畑の土壌改良や釣りなどでは今でも重宝されています。また、生ごみに生きたミミズを入れ、その糞を堆肥にする手法もあります。

しかし、一般的には下等な生き物のイメージが濃いようです。

釣りの餌に使うミミズも、養殖したものを買わなくてはなりません。

漢方薬として

雨上がりの道にミミズが這っているのを見かけますが、アスファルトに踏まれてペチャンコになったものも田舎ではよくあることです。

夏のよく晴れた日に太陽の日で焼けた砂の上に、ミミズをばらまいておくと2、3日で干しあがります。

これを漢方では地竜ぢりゅうといい、別名蚯蚓きゅういんともいいます。

地竜にはルンブロフェブリン、ルンブリチン、リパーゼその他各種のアミノ酸が含まれ、特にルンブロフェブリンには体温調節の鎮静による解熱作用が認められ、その他の成分にも体表面の血流を拡張して熱の発散を促進する作用があります。

薬局の漢方薬コーナーでは地竜エキス(解熱鎮痛薬)が売られています。

中国からの輸入品もあり、これはミミズを縦に裂くかミミズを全体にしごいて土を出し、よく洗ってから乾燥しています。

民間療法として利用

民間療法に用いられるミミズは、釣りの餌に使うシマミミズとは異なるフトミミズの属で首のところに白い輪のある太いミミズがよいとされています。

地竜を民間療法として使っているのは、日本や中国ばかりではなく、ヨーロッパでも使われていて、利尿、三日熱の解熱などに内服します。また、耳・歯の痛み、胃の痛みなどにも使われています。

昔の中国の古典では、小児の冷え腹で硬く腫れているときは地竜を粉にし、唾液で練って塗布すると良いと記されています。

市販のものは価格が高くなってきました。作り方は難しいものではありませんので、興味があれば自分で作ったらいかがでしょうか。

解熱薬としての用法

地竜5~8匹を一合(180cc )の水で半分になるまで煎じて一回で服用します。

(主成分ルルンブロフェブリンは、もともと地竜あるものではなく、分解してできるもので、長く煎じるほど多くできることはわかっています)

地竜には発汗作用がありますので、心臓の弱い人や虚弱な人には不適当です。

 

その他の民間療法

肩こり ミミズをしごいて土を吐かせたものを、黒砂糖と一緒に潰してねり合わせ、紙に厚く伸ばして肩に貼る。

 

腫れ物できもの ミミズのはらわたや土を除き、皮を患部に巻いておく。

 

毒虫などによる咬み傷 ミミズを生きたまま竹筒に入れて腐らせ、それを噛まれた後につけると早く治ります。ミミズの大きいものが見つかれば、そのまますり潰して布に伸ばし患部に貼りつけてもよいです。

 

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