太田水穂(おおたみずほ) 本名は太田貞一 別号・みづほのや。
1876年(明治9年)12月9日 ~ 1955年(昭和30年)1月1日
明治期から昭和期の歌人、国文学者。
さ走りに汽車すぎゆけば汽車道のもろ草なびき風ふきおこる
ほつ峰を西に見さけてみすずかる科野のみちに吾ひとり立つ
雲は西に流れて汐はかへりけり今は渚の草にいこへる 『山上湖上』
秋の日の光りのなかにともる灯の蠟よりうすし鶏頭の冷え 『冬菜』
青き背の海魚を裂きし俎板にうつりてうごく藤若葉かな 『鷺・鵜』
桜さく島のあらしに雲仙の大嶺の曇りよこたはりたり
命ひとつ露にまみれて野をぞゆく涯なきものを追ふごとくにも
三十六峯死火山となりて横たはる大信濃路の冬をかしこむ 『老蘇の森』
撮影ichiro
コメント