【紅葉・黄葉の歌】古典から現代短歌。『20選』

紅葉

紅葉

日本の紅葉・黄葉

紅葉(黄葉)の季節になると、行楽、紅葉狩りに出かける人が多く、名所も、北海道から九州にまで及びます。「もみじ」を「紅葉」とのみ漢字表記するのが一般的になりましたが、『万葉集』では「黄葉」と表わしました。辞書でこの項をひくと「紅葉・黄葉」の二種が並んでいます。実際に落葉樹は、ほぼこの二種に変色します。

紅(黄)葉は、主として落葉樹イロハモミジ、かえで銀杏いちょうなど)を指す季語です。

常緑樹 (松・杉・ひのきをはじめ、椿つばき(海石榴)・棕梠しゅろたちばな柑子こうじ・茶・ 大盞木タイサンボク(泰山木)・つがかししいくす石楠しゃくなげ忍冬にんどう梔子くちなし木斛もっこく夾竹桃キョウチクトウ)なども、時として葉が変色する例もあり、これを「わくらば」と称します。そのため、古語に「わくらばに」(稀に、例外的に)という言葉が生まれました。

 

紅葉・黄葉の歌

秋山に落つる黄葉もみちばしましくはな散りまがひそいもがあたり見む 柿本人麻呂

見れどかずいましし君が黄葉もみちばの移りい行けば悲しくもあるか 県犬養宿禰人上

我がころもいろどりめむ味酒三室うまさけみむろの山は黄葉もみちしにけり 柿本人麻呂

今朝けさ朝明雁あさけかりが音聞きつ春日山黄葉かすがやまもみちにけらしわが情痛こころいたし 穗積皇子

わくらばにあまの河なみよるながらあくる空にはまかせずもがな 徽子女王

わくらばにとはれし人も昔にてそれより庭のあとえにき 藤原定家

わくらばにちつるよひもけにけりさやはちぎりし山のはの月 藤原良経

わくらばになどかは人のはざらんおとなし河に住む身なりとも 行尊

水底に影しうつれば紅葉ばの色もふかくや成りまさるらん 紀貫之

浮きて行く紅葉の色のこきからに川さへ深くみえわたるかな 紀貫之

紅葉狩二荒もみぢがりふたらに行くとあかときの汽車乗るところ人なりとよむ 伊藤左千夫

もみぢ葉も、心あるらむ。見てあれば、赤き方より、まづこぼれけり。 与謝野鉄幹

あかあかと紅葉もみぢを焚きぬいにしへは三千の威儀おこなはれけ 前川佐美雄

もみぢ極まれば散るほかはなき山の樹の月白き夜もくらき夜明けも 斎藤史

真野の宮 砌におつる秋の葉の桂のもみぢ すでに 色濃き 釈沼空

澄みとほる西日となりて此の谷のははそのもみぢはてしなく見ゆ 土屋文明

峠路のぬるでは深く紅ければ頬にやはらに夕陽はもゆる 馬場あき子

もみぢをさこそ嵐のはらふらめこの山本も雨とふるなり 西園寺公経

しぐれゆくよものこずゑの色よりも秋はゆふべのかはるなりけり 藤原定家

みやこにはまだあを葉にて見しかどももみぢちりしく白河しらかはの関 源頼政

紅葉 写真

弥彦公園 もみじ谷

弥彦公園 もみじ谷

弥彦公園(新潟県弥彦村)

弥彦公園(新潟県弥彦村)

イロハモミジ

イロハモミジ

紅葉

紅葉

 

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