【田谷鋭】知っておきたい古典~現代短歌!

サンパラソル

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田谷 鋭 (たや えい)

1917年~2013年 千葉県生まれ。昭和~平成の歌人。

父、母、兄3人を結核で失い、苦労の中、夜学の千葉関東商業学校(現敬愛学園高等学校)を卒業、国鉄に勤務。

1934年(昭9年)に北原白秋顧問、村野次郎主宰の「香蘭」に入会。1935年(昭10年)「多磨」に移る。「香蘭」「多磨」を |経て、1953年「コスモス」創刊に参加。

人間の営みを細やかに見つめ、独特感性をもって戦後の生活者の悲喜を詠たった。歌集に、『波濤遠 望集』『水晶の座』『母恋』『ミモザの季』。

田谷 鋭 著作

1957年 『乳鏡』歌集 白玉書房  (コスモス叢書)

1973年 『白秋周辺』 歌論集 柏葉書院  (コスモス叢書)

1973年 『水晶の座』 歌集 白玉書房  (コスモス叢書)

1988年 『ミモザの季』 歌集 短歌新聞社  (現代短歌全集)

1988年 『初心者のための短歌教室』 本阿弥書店

1991年 『波濤遠望集』 雁書館,

1994年 『母恋』 歌集 短歌新聞社 (短歌新聞社文庫)

2005年 『宇宙塵』 短歌 ふらんす堂

2008年 『田谷鋭歌集』 砂子屋書房  (現代短歌文庫)

 

 

田谷 鋭 短歌

駅売りの牛乳買はずしてかたはらの水に口 づけば心がなしも 『乳鏡』

エスカレーターの昏き奈落を戻りゆかむ金属階段をふとも思ひつ

寥しめる心も倦みぬ晩夏おそなつの北の蒼うみに汽車永く沿ひ

生活におも伏すごとく日々経つつセルジュリファールの踊りも過ぎむ

白き鯉の過ぎゆくはだにかたはらの鯉の緋色のたまゆら映えつ 『水晶の座』

茶の粉の青微かにて不可思議の耀ひに充つ茶筒のうちは 『波濤遠望集』

晴れながら風音さむし子等あそぶ空地に瓶の砕けたる音

 

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