【渡辺 直己】『8選』 知っておきたい古典~現代短歌!

クレオメ

クレオメ

渡辺 直己 (わたなべ なおき)

1908年~1939年 広島県呉市生まれ。歌人。

広島高等師範学校卒業。後に呉市立高等女学校教諭となる。1935年(昭10)『アララギ』に入会。土屋文明に師事。1937年(昭12)日中戦争に陸軍少尉として応召。1939年(昭14)天津で戦死。

渡辺 直己 歌集

1940年 遺歌集『渡辺直己歌集』

渡辺 直己 短歌

頑強なる抵抗をせし敵陣に泥にまみれしリ ーダーがありぬ 『渡辺直己歌集』

心決して征かむ朝よ白々と双葉の山に雲光りたり  

昇給せし老いし同僚が次の日よりいたくおどおどと振舞ひぬ  

泥の如兵は疲れて眠り居り月虧けて寒き黄河河畔に  

涙拭ひて逆襲し来る敵兵は髪長き広西学生軍なりき  

覇県警備に静かなる夜は送り来し烏賊を焼きつつ兵と和みぬ  

砲弾の跡いちじるき城壁に抗日ビラが千切れしままなり 

憤ほろしき心湧き来る夕暮に反戦主義の語を思ひたり 『渡辺直己全集』

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