【会津 八一】『11選』 知っておきたい古典~現代短歌!

山茶花

山茶花

会津 八一(あいづ やいち)

1881~1956年 新潟県出身。美術 史家・書家、歌人。雅号は、秋艸道人しゅうそうどうじん

早稲田大学英文科卒業。良寛・正岡子規に傾倒。奈良の仏教 美術に目を開かれて1924年『南京新唱』を発表し、独自の歌風を立てた。

幼少期から芸術に強い興味を持ち、特に書と詩に対する情熱を深めました。彼の作品は、古典的な美学と独自の感性が融合したもので、多くの人々に感動を与えています。彼の詩は、自然の美しさや人間の感情を繊細に表現し、その中でも特に「奈良の古寺巡礼」が有名です。この作品では、古都奈良の寺院や仏像を詠み、歴史と芸術への深い敬意を示しています。

美術史家としても優れた業績を残し、特に日本の仏教美術に関する研究で知られています。彼の著作は、学術的な深みと詩的な表現が融合し、多くの研究者や愛好者に影響を与え続けています。

また、書家としての会津八一の作品は、その独特な筆致と深い精神性で評価され、数多くの展覧会で展示されています。彼の書は、詩と同様に情感豊かであり、見る者の心を打ちます。

会津八一の人生と作品は、芸術と学問を融合させた独自の世界を築き上げました。彼の遺した詩、書、美術史の研究は、今もなお多くの人々に愛され、影響を与え続けています。

会津 八一 歌集

1940年『鹿鳴集』

1947年『寒燈集

会津 八一 短歌

さざんくわのいくひこぼれてくれなゐにちりつむつちにあめふりやまず『寒燈集』

おほてらのまろきはしらの月かげをつちにふみつゝものをこそおもえ 『南京新唱』

かすが野に押してるつきのほがらかにあきのゆふべとなりにけるかも 『南京新唱』

すゐえんのあまつをとめがころもでのひまにもすめるあきのそらかな 『南京新唱』

あめつちにわれひとりゐてたつごときこのさびしさをきみはほほゑむ 『南京新唱』

あたらしきまちのちまたののきのはにかがよふはるをいつとかまたむ 

なべてよはさびしきものぞくさまくらたびにありともなにかなげかむ 『放浪唫草』

こがくれてあらそふらしきさをしかのつのひゞきに夜はくだちつつ

さよふけてかどゆくひとのからかさにゆきふるおとのさびしくもあるか 『鹿鳴集』

ひとのよにひとなきごとくたかぶれるまづしきわれをまもりこしかも

かくばかりこひつつあらずばをだはらのはまのかまめとならましものを(歌集未収録)

 

山茶花(サザンカ)

山茶花はツバキ科ツバキ属の一種で、常緑広葉樹。童謡『たきび』の歌詞に登場することでもよく知られる日本の固有種です。椿の花と似ていて間違いやすいです。椿は花ごと落ちますが、山茶花は花びらが散ります。ツバキは早春から春にかけて咲くのに対し、サザンカの野生種は10月から12月に白や赤い花が開花し、晩秋の花として親しまれてきました。

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