【中学生】以上に知ってもらいたい短歌。『岸上 大作』

あかいきく

岸上 大作 (きしがみ だいさく)

1939~1960年 兵庫県出身。 歌人。

7歳の時、父を戦病死で失い、母の手ひとつで育てられる。

県立福崎高校に入学。文芸部に入部。詩、俳句、小説などを書く。窪田章一郎主宰の「まひる野」入会し、短歌への道へ。高校時の短歌は、母・友人・貧 を歌ったあたたかい歌が多い。また、政治・社会批判の激しい歌も少なくない。

1958年、国学院大学文学部に入学。国学院大学短歌研究会に所属、編集委員になる。

1960年、安保反対闘争に全学連主流派(反共・反統一戦線)や反主流派(容共・統一戦線)に属して、その思想的立場はゆれる。6月15日、国会議事堂南門突破の際、警棒でうたれ軽傷。 その時東大生、樺美智子が死んでいる。

高瀬隆和・ 林安一・田島邦彦らと同人誌「具象」を創刊。作歌においては安保闘争のデモの渦中に身を投じた経験と恋とをうたった「意思表示」で第3回短歌研究新人賞推薦次席となるなど安保世代の学生歌人として活躍。「東の岸上大作、西の清原日出夫」と謳われた。

12月5日 恋と革命にやぶれてといわれた自殺を下宿の2階で実行。21歳の命を終えた。

絶筆「ぼくのためのノート」の他、著書は作品集「意志表示」(1960年)、「もうひとつの意志表示」(1973年)など。

〈赤旗ガ雨ヲ吸ウ今日ノ重タサニソノ闘イノ歴史ヲ識レ〉党  『意志表示』

言い切らんことばやさしくポケットの手に触れている太宰治全集

意志表示せまり声なきこえを背にただ掌の中にマッチ擦るのみ

一日がはげしく匂う濡れしまま学生服は壁 につられて

美しき誤算のひとつわれのみが昂ぶりて逢い重ねしことも

海のこと言いてあがりし屋上に風に乱れる髪をみている

装甲車踏みつけて越す足裏の清しき論理に息つめている

断絶を知りてしまいしわたくしにもはやしゅったつは告げられている

地下鉄の切符に鋏いれられてまた確かめているその決意

血と雨にワイシャツ濡れている無援ひとりへの愛うつくしくする

血の色に羽根ゆるされる十月は拒否せん妥協なき理由もて

問いつめているも負目と知らされて受話器に聞きている咳の音

党のビラ張りて来し指拭いいる青年は五月より昏き眼をして

ひっそりと暗きほかげで夜なべする母の日も母は常のごとくに

ヘルメットついにとらざりし列のまえ屈辱ならぬ黙禱の位置

いかならん夢やどせるか女生徒の誰もがかむる夏帽子の白 『岸上大作歌集』

若者が銃の重さを知りてゆく過程に奪われし敗戦の意味

菊 白い

写真:菊                             撮影ろいち 他画像

菊について

キク科キク属の植物。 日本では日本で観賞用多年草植物として発展した品種群を和菊、西ヨーロッパで育種されて生まれた品種群を洋菊と呼ぶ。

中国から奈良時代末か平安時代初めに入ってきたようで、飛鳥・奈良初期時代の【万葉集】には菊を詠んだ歌は一首ありません。

鑑賞だけでなく、食用や薬用としても広く使われています。参考:キク効果

からだ楽痩茶

 

 

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