【岡部桂一郎】『5選』知っておきたい古典~現代短歌!

久留米ケイトウ

久留米ケイトウ

岡部桂一郎(おかべけいいちろう)

1915年(大正4年)4月3日~2012年(平成24年)11月28日に97歳で没。昭和~平成時代の歌人。

神戸尋常小学校、関西学院中等部を経て、熊本薬学専門学校(現・熊本大学薬学部)を卒業。

1937年(昭和12年)に山下陸奥の歌誌「一路」に入会し、短歌の世界に入ります。1941年から1945年にかけては作歌を中断。戦後、1947年に上京し、国立習志野病院の薬局長として勤務するかたわら、1948年に「一路」を退会し、山形義雄や芝山永治らとともに「工人」を創刊しました。

さらに、1950年には金子一秋、葛原繁、三木あや、山崎一郎らと「泥の会」を立ち上げ、1954年には山崎方代らと同人誌「黄」を創刊します。1971年には玉城徹、片山貞美、山崎一郎、山崎方代とともに同人誌「寒暑」を創刊し、短歌結社に依らず独自の活動を展開しました。

 

岡部桂一郎 短歌

おどおどと夜のランプが燃えている中世の夜も近代の夜も 『緑の墓』

しめりたる砂利に日暮れのもやぞ這う修羅なしてわれはここを過ぎたり

ただれたる没り日の空に梯子たてり黄色人のわれは恐れて

天を指す樹々垂直に垂直にして遠く小さき日は純粋なり

年古りし杉に向かいて祝詞のりとあぐしみじみくらしこの民族は

コメント