尿(ばり・いばり)の意味
(ばり、いばり)は、昔の言葉で「小便」、特に馬などの動物が放尿することを指す言葉です。人間の小便を「ばり」や「いばり」と呼ぶのは、相手をけなすときに使われることが多く、「馬みたいにどこでもおしっこしている」と相手をバカにする意味合いを持ちます。
尿(ばり)の由来
この「ばり」という言葉は、「ゆまり」という古い言葉が元になりました。「ゆ」は「温泉」や「水」のことを遠ざけ、「まり」は「大小便(おしっこやうんち)」 「まり」という言葉は、古事記や日本書紀といった昔の本にも登場します。ところでは、素戔嗚尊(スサノオノミコト)という神様が「うんち」を「まきちらかす」のシーンが描かれていますこの「まる」という言葉が、大便の丸い形からきている可能性もあります。
松尾芭蕉と「尿前の関」
俳句の有名な詠み手である松尾芭蕉が書いた『奥の細道』という作品にも、この「尿(ばり)」が登場します。芭蕉が「尿前(しとまえ)の関」という場所を通り過ぎたときに詠んだ句、「蚤虱(のみしらみ)馬の尿する枕もと」では、「尿」が使われています。この句は昔、「しと」と言われてました。が、今では「ばり」と読むのが正しいとされています。
尿(ばり)の短歌
夜寒くして尿に近し家人の枕またぎて下の室をとほる 島木赤彦
英雄は寒くしずかに尿する十八世紀パリのひとりも 佐佐木幸綱
尿すれば金の光のひとすぢがさんさんと落ちて弾きかへすも 北原白秋
むこうむきに女尿す黄の花揺らげる闇にわれを待たせて 永田和宏
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