【会津 八一】『11選』 知っておきたい古典~現代短歌!

山茶花

山茶花

会津 八一(あいづ やいち)

1881~1956年 新潟県出身。美術 史家・書家、歌人。雅号は、秋艸道人しゅうそうどうじん

早稲田大学英文科卒業。良寛・正岡子規に傾倒。奈良の仏教 美術に目を開かれて1924年『南京新唱』を発表し、独自の歌風を立てた。

会津 八一 歌集

1940年『鹿鳴集』

1947年『寒燈集

会津 八一 短歌

さざんくわのいくひこぼれてくれなゐにちりつむつちにあめふりやまず『寒燈集』

おほてらのまろきはしらの月かげをつちにふみつゝものをこそおもえ 『南京新唱』

かすが野に押してるつきのほがらかにあきのゆふべとなりにけるかも 『南京新唱』

すゐえんのあまつをとめがころもでのひまにもすめるあきのそらかな 『南京新唱』

あめつちにわれひとりゐてたつごときこのさびしさをきみはほほゑむ 『南京新唱』

あたらしきまちのちまたののきのはにかがよふはるをいつとかまたむ 

なべてよはさびしきものぞくさまくらたびにありともなにかなげかむ 『放浪唫草』

こがくれてあらそふらしきさをしかのつのひゞきに夜はくだちつつ

さよふけてかどゆくひとのからかさにゆきふるおとのさびしくもあるか 『鹿鳴集』

ひとのよにひとなきごとくたかぶれるまづしきわれをまもりこしかも

かくばかりこひつつあらずばをだはらのはまのかまめとならましものを(歌集未収録)

 

山茶花(サザンカ)

山茶花はツバキ科ツバキ属の一種で、常緑広葉樹。童謡『たきび』の歌詞に登場することでもよく知られる日本の固有種です。椿の花と似ていて間違いやすいです。椿は花ごと落ちますが、山茶花は花びらが散ります。ツバキは早春から春にかけて咲くのに対し、サザンカの野生種は10月から12月に白や赤い花が開花し、晩秋の花として親しまれてきました。

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