栗木京子(くりききょうこ)
1954年~ 本名:中原京子(旧姓・山本) 愛知県出身。歌人。栗木は母方の姓。
京都大学在学中に「コスモス」に入会、のちに「塔」に所属する。 繊細さを感じさせる一方、聡明な深さを持つ歌人として注目される。
栗木京子 短歌
新たなる風鳴りはじむ産み了へて樹のごとくまた緊りゆく身に 『水惑星』
いづこへとひかれゆく子か抱きても抱きてもからだかしげて眠る
難きこと語りて長く歩みしが疲るれば妻と夫に戻る
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生
鶏卵を割りて五月の陽のもとへ死をひとつづつ流し出したり
叱られて泣きゐし吾子がいつか来て我が円周をしづかになぞる
トルソーの静寂を恋ふといふ君の傍辺に生ある我の坐らな
半開きのドアのむかうにいま一つ鎖されし扉あり夫と暮らせり
我よりも美しき友と連れだちて男群れ居る場所を通れり
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