百人一首【大江千里】の名歌『月見れば千々に物こそ悲しけれ』解説 「月見れば千々に物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」この歌には、複雑な技巧や難解な言葉はありません。しかし、「千々に」「わが身ひとつ」の対比や、月の存在感、寂しさと普遍性が見事に重なり合い、読む者の心を優しく揺らします。 2025.05.31百人一首
百人一首【文屋康秀】「吹くからに」の魅力解説と現代語訳 「吹くからに秋の草木のしをるれば やまかぜむべ山風をあらしといふらむ」は、一読して「なるほど!」と思わず膝を打つ、巧みな言葉遣いと遊び心にあふれています。作者は、強い風を指して「あらし」と呼ぶその理由を、自然現象と日本語の言葉の響き・成り立ちに求めています。 2025.05.28百人一首
百人一首秋の有明の月に映る想い百人一首「今来むと」【素性法師】を深掘り この歌は、男から「すぐに行く」と約束された女性が、その言葉を信じて秋の長い夜を、明け方の有明の月が出るまで待ち続けた切ない心情を詠んだものです。男女間の駆け引きの一コマ、平安の恋愛事情が、繊細な言葉で表現されています。 2025.05.26百人一首
百人一首百人一首【元良親王】の恋歌――激しい情熱と平安恋物語の真実 現代人の私たちが「恋」という言葉に心動かされるように、千年以上も昔の平安貴族たちもまた、出会いと別れ、思い悩む恋を歌に託してきました。百人一首に収められている和歌は、その時代の空気や背景が映し出されており、一首ごとに物語が詰まっています。 2025.05.25百人一首
百人一首百人一首十九番「難波潟短き蘆のふしの間も」【伊勢】が詠んだ恋の名歌! 十九番の歌として知られる伊勢作「難波潟短き蘆のふしの間も」は、時代を越えて人々の心を打ち続けています。身分も立場も異なる者同士が惹かれ合う恋は、時として叶わぬもの。でも、その想いの切なさや情熱は、現代の私たちにも響く普遍的なテーマです。 2025.05.22百人一首
百人一首住の江の岸に寄る波【藤原敏行】と平安の恋心を読み解く! 平安時代の人々が心のうちに秘めた恋の想い――それは繊細な言葉や美しい自然の情景に重ねて表現されてきました。恋しい人を直に訪れることさえためらわれた時代、夜陰や夢の中ですら、恋する者たちは様々な想いを馳せました。 2025.05.20百人一首
百人一首「ちはやぶる神代も聞かず 龍田川」―【在原業平】と紅葉の魅力 奈良県を流れる龍田川。百人一首にも選ばれ、今もなお多くの人々に愛され続けている和歌「ちはやぶる神代も聞かず龍田川 からくれなゐに水くくるとは」この歌の詠み手は六歌仙のひとり、在原業平。情熱的で華やかな恋の歌人として知られ、彼の人生そのものが魅力的な物語です。 2025.05.19百人一首
百人一首百人一首第十三番【陽成院】『筑波嶺の峰より落つる』徹底解説。 情熱と純真が交錯する一首が、陽成院の「筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる」です。恋心の高まりを「筑波山から流れ落ちる川の水」に、募る思いの深さを「淵」と結びつけ、ひとつの情景として結晶させた本歌は、今も多くの人の心を捉えて離しません。 2025.05.13百人一首
百人一首【参議篁】「わたの原八十島かけて」の真意と流罪エピソードに迫る! 天才詩人としても知られた参議篁(さんぎたかむら)の「わたの原 八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟」は、壮大な大海原(わたの原)への旅立ちという壮麗な景色と、都に残した親しい人への切実な思いが見事に融合した作品です。 2025.05.11百人一首
古典~現代短歌【中学生】以上に知ってもらいたい短歌。『西行』 西行(さいぎょう)1118~1190年 平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士であり、僧侶、歌人。 俗名は佐藤 義清(さとう のりきよ)『新古今集』に最多入集。 歌風:自然美、自己省察。 2021.01.17古典~現代短歌