古今集

百人一首

鮮やかな紅葉に託した祈り【菅家】「このたびは」の深読み解説

「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」は、旅の途上、あるいは人生そのものの道行きを美しい紅葉に託し、神仏への祈りと人の誠意を見事に織り込んだ名作です。
百人一首

【大江千里】の名歌『月見れば千々に物こそ悲しけれ』解説

「月見れば千々に物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」この歌には、複雑な技巧や難解な言葉はありません。しかし、「千々に」「わが身ひとつ」の対比や、月の存在感、寂しさと普遍性が見事に重なり合い、読む者の心を優しく揺らします。
百人一首

【文屋康秀】「吹くからに」の魅力解説と現代語訳

「吹くからに秋の草木のしをるれば やまかぜむべ山風をあらしといふらむ」は、一読して「なるほど!」と思わず膝を打つ、巧みな言葉遣いと遊び心にあふれています。作者は、強い風を指して「あらし」と呼ぶその理由を、自然現象と日本語の言葉の響き・成り立ちに求めています。
百人一首

秋の有明の月に映る想い百人一首「今来むと」【素性法師】を深掘り

この歌は、男から「すぐに行く」と約束された女性が、その言葉を信じて秋の長い夜を、明け方の有明の月が出るまで待ち続けた切ない心情を詠んだものです。男女間の駆け引きの一コマ、平安の恋愛事情が、繊細な言葉で表現されています。
百人一首

住の江の岸に寄る波【藤原敏行】と平安の恋心を読み解く!

平安時代の人々が心のうちに秘めた恋の想い――それは繊細な言葉や美しい自然の情景に重ねて表現されてきました。恋しい人を直に訪れることさえためらわれた時代、夜陰や夢の中ですら、恋する者たちは様々な想いを馳せました。
百人一首

「ちはやぶる神代も聞かず 龍田川」―【在原業平】と紅葉の魅力

奈良県を流れる龍田川。百人一首にも選ばれ、今もなお多くの人々に愛され続けている和歌「ちはやぶる神代も聞かず龍田川 からくれなゐに水くくるとは」この歌の詠み手は六歌仙のひとり、在原業平。情熱的で華やかな恋の歌人として知られ、彼の人生そのものが魅力的な物語です。