古典~現代短歌春道列樹『山川に風のかけたるしがらみ』秋の名歌解説 秋の深まりを感じさせる春道列樹の歌「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」を詳しく解説します。この歌は、山あいを流れる小川に風が作り出した「しがらみ」が紅葉でせき止められ、水が流れようとしても流れない様子を鮮やかに描いています。短い言葉ながら、自然の動きと静止、そして季節感が見事に表現されており、読む者に秋の情景を目の前に浮かべさせます。 2025.10.09古典~現代短歌百人一首
古典~現代短歌百人一首30番 壬生忠岑 有明月解説 月は古くから日本文学において、別れや寂しさを象徴するモチーフとして多く詠まれてきました。壬生忠岑(みぶのただみね)の「有明のつれなく~」は、『古今和歌集』巻十三・恋三に収められており、恋愛感情の機微を繊細に表現した名作として知られています。 2025.08.30古典~現代短歌百人一首
古典~現代短歌百人一首28番 源宗干(源宗干朝臣) 冬山里の寂しさ解説 源宗干(みなもとのむねひろ)の和歌「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば」は、その冬の山里の寂しさを通して、作者自身の心情や人生観を映し出しています。この歌は単なる自然描写を超え、時代背景や作者の生涯とも密接に結びついているため、その深い意味を知ることで一層味わい深くなります。 2025.08.21古典~現代短歌百人一首
百人一首鮮やかな紅葉に託した祈り【菅家】「このたびは」の深読み解説 「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」は、旅の途上、あるいは人生そのものの道行きを美しい紅葉に託し、神仏への祈りと人の誠意を見事に織り込んだ名作です。 2025.06.08百人一首
百人一首【大江千里】の名歌『月見れば千々に物こそ悲しけれ』解説 「月見れば千々に物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」この歌には、複雑な技巧や難解な言葉はありません。しかし、「千々に」「わが身ひとつ」の対比や、月の存在感、寂しさと普遍性が見事に重なり合い、読む者の心を優しく揺らします。 2025.05.31百人一首
百人一首【文屋康秀】「吹くからに」の魅力解説と現代語訳 「吹くからに秋の草木のしをるれば やまかぜむべ山風をあらしといふらむ」は、一読して「なるほど!」と思わず膝を打つ、巧みな言葉遣いと遊び心にあふれています。作者は、強い風を指して「あらし」と呼ぶその理由を、自然現象と日本語の言葉の響き・成り立ちに求めています。 2025.05.28百人一首
百人一首秋の有明の月に映る想い百人一首「今来むと」【素性法師】を深掘り この歌は、男から「すぐに行く」と約束された女性が、その言葉を信じて秋の長い夜を、明け方の有明の月が出るまで待ち続けた切ない心情を詠んだものです。男女間の駆け引きの一コマ、平安の恋愛事情が、繊細な言葉で表現されています。 2025.05.26百人一首
百人一首住の江の岸に寄る波【藤原敏行】と平安の恋心を読み解く! 平安時代の人々が心のうちに秘めた恋の想い――それは繊細な言葉や美しい自然の情景に重ねて表現されてきました。恋しい人を直に訪れることさえためらわれた時代、夜陰や夢の中ですら、恋する者たちは様々な想いを馳せました。 2025.05.20百人一首
百人一首「ちはやぶる神代も聞かず 龍田川」―【在原業平】と紅葉の魅力 奈良県を流れる龍田川。百人一首にも選ばれ、今もなお多くの人々に愛され続けている和歌「ちはやぶる神代も聞かず龍田川 からくれなゐに水くくるとは」この歌の詠み手は六歌仙のひとり、在原業平。情熱的で華やかな恋の歌人として知られ、彼の人生そのものが魅力的な物語です。 2025.05.19百人一首
百人一首「立ち別れいなばの山」現代語訳と解説【中納言行平】と百人一首の魅力 別れの瞬間ほど、気持ちを伝えることの難しさを痛感する場面はありません。人は人生のさまざまな場面で、愛する人や大切な仲間と「別れ」を経験します。そのとき、どんな言葉で自分の心を相手に伝えられるでしょうか――。 2025.05.17百人一首