百人一首

古典~現代短歌

三十三 紀友則『久方の光』桜散る春の日の名歌解説!

この歌は平安時代初期に成立した『古今和歌集』に収められ、その後も多くの人々に愛されてきました。静かな陽光が差す穏やかな春の日に、どうして桜は落ち着かずに散ってしまうのかという作者の疑問と嘆きを通して、自然への深い観察と感受性が伝わってきます。
古典~現代短歌

春道列樹『山川に風のかけたるしがらみ』秋の名歌解説

秋の深まりを感じさせる春道列樹の歌「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」を詳しく解説します。この歌は、山あいを流れる小川に風が作り出した「しがらみ」が紅葉でせき止められ、水が流れようとしても流れない様子を鮮やかに描いています。短い言葉ながら、自然の動きと静止、そして季節感が見事に表現されており、読む者に秋の情景を目の前に浮かべさせます。
古典~現代短歌

坂上是則『朝ぼらけ』吉野の白雪を詠む名歌解説

坂上是則作「朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪」は、一見するとただ美しい冬景色を描いただけですが、その背後には作者自身の日常、公務生活、大和国赴任中という具体的状況があります。そして何より、その情景への鋭敏な観察力と繊細な表現力こそ、この短歌最大のみどころでしょう。
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古典~現代短歌

百人一首30番 壬生忠岑 有明月解説

月は古くから日本文学において、別れや寂しさを象徴するモチーフとして多く詠まれてきました。壬生忠岑(みぶのただみね)の「有明のつれなく~」は、『古今和歌集』巻十三・恋三に収められており、恋愛感情の機微を繊細に表現した名作として知られています。
古典~現代短歌

百人一首29番 凡河内躬恒 白菊初霜解説

今回ご紹介する凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の和歌「心あてに折らばや折らむ初霜のしらぎく置きまどはせる白菊の花」は、その初霜と白菊が織り成す美しい対比を巧みに詠んだ作品です。
古典~現代短歌

百人一首28番 源宗干(源宗干朝臣) 冬山里の寂しさ解説

源宗干(みなもとのむねひろ)の和歌「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば」は、その冬の山里の寂しさを通して、作者自身の心情や人生観を映し出しています。この歌は単なる自然描写を超え、時代背景や作者の生涯とも密接に結びついているため、その深い意味を知ることで一層味わい深くなります。
百人一首

百人一首「みかの原わきて流るる」解説と中納言兼輔の生涯

「みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ――」。この歌は、中納言兼輔によって詠まれたものですが、日常生活からは想像もつかないほど優雅で、情緒にあふれた世界が広がります。
百人一首

優美な小倉山の紅葉と藤原忠平―百人一首を深く読む

秋の京都、嵯峨野にそびえる小倉山。その山の峰を彩る紅葉は、古くから数々の歌に詠まれてきました。風がそよぎ、川のせせらぎが響く中、真っ赤に染まったもみじは日本人の心を捉えて離しません。
百人一首

百人一首25番—三条右大臣『さねかづら』の恋と謎を徹底解説

百人一首を彩る名歌の世界:三条右大臣の恋歌に寄せて平安時代を彩る和歌の名作。そのなかでも『百人一首』は、日本の伝統文化や古き良き日本人の情愛を今に伝える歌集として、長い歳月を経てもなお多くの人に愛されています。和歌は、わずか三十一文字で深い...
百人一首

鮮やかな紅葉に託した祈り【菅家】「このたびは」の深読み解説

「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」は、旅の途上、あるいは人生そのものの道行きを美しい紅葉に託し、神仏への祈りと人の誠意を見事に織り込んだ名作です。