古典~現代短歌

日本の歌人と短歌と合わせて身近な植物と雑学を紹介します。

古典~現代短歌

春道列樹『山川に風のかけたるしがらみ』秋の名歌解説

秋の深まりを感じさせる春道列樹の歌「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」を詳しく解説します。この歌は、山あいを流れる小川に風が作り出した「しがらみ」が紅葉でせき止められ、水が流れようとしても流れない様子を鮮やかに描いています。短い言葉ながら、自然の動きと静止、そして季節感が見事に表現されており、読む者に秋の情景を目の前に浮かべさせます。
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坂上是則『朝ぼらけ』吉野の白雪を詠む名歌解説

坂上是則作「朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪」は、一見するとただ美しい冬景色を描いただけですが、その背後には作者自身の日常、公務生活、大和国赴任中という具体的状況があります。そして何より、その情景への鋭敏な観察力と繊細な表現力こそ、この短歌最大のみどころでしょう。
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ヨモギの効能と歴史|短歌で紡ぐ日本文化【6選】

日本文学や短歌にもヨモギは度々登場します。その独特な香りと生命力豊かな姿は、多くの詩人や歌人に愛されてきました。例えば、『百人一首』51番の藤原実方朝臣の歌では、燃える恋心をヨモギにたとえて詠まれています。
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星の短歌 — 古今の詠み人たちが紡ぐ天の物語

古来より「星」は日本の和歌や短歌において、美しく重要なモチーフとして詠まれてきました。『万葉集』では天の川が多く詠まれ、その後も七夕伝説に登場する牽牛星(彦星)と織女星(おりひめ)の逢瀬は、多くの場合、自身の恋愛感情と重ね合わせて表現されました。
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日本文化に息づく『蟬』短歌と歴史物語!

日本人の日常生活や精神世界には夏季節音として欠かせない存在である蝉。その声には、一瞬一瞬儚い命への想いや死者への祈念、人間生活への共感など多層的意味があります。短歌ではそれぞれ異なる角度から自然美や人生観、哀愁、魂との対話として表現されており、日本文化独特とも言える深みがあります。
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百人一首30番 壬生忠岑 有明月解説

月は古くから日本文学において、別れや寂しさを象徴するモチーフとして多く詠まれてきました。壬生忠岑(みぶのただみね)の「有明のつれなく~」は、『古今和歌集』巻十三・恋三に収められており、恋愛感情の機微を繊細に表現した名作として知られています。
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百人一首29番 凡河内躬恒 白菊初霜解説

今回ご紹介する凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の和歌「心あてに折らばや折らむ初霜のしらぎく置きまどはせる白菊の花」は、その初霜と白菊が織り成す美しい対比を巧みに詠んだ作品です。
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百人一首28番 源宗干(源宗干朝臣) 冬山里の寂しさ解説

源宗干(みなもとのむねひろ)の和歌「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば」は、その冬の山里の寂しさを通して、作者自身の心情や人生観を映し出しています。この歌は単なる自然描写を超え、時代背景や作者の生涯とも密接に結びついているため、その深い意味を知ることで一層味わい深くなります。
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少女・乙女・処女の短歌に込められた想い『12選』

「少女」「乙女」「処女」という言葉は、日本の古典文学や和歌、特に短歌において、時代ごとの女性像や純粋さ、青春への憧れを象徴する特別な存在として詠まれてきました。『万葉集』から近現代の歌人まで、多くの作品で用いられてきました。
百人一首

百人一首「みかの原わきて流るる」解説と中納言兼輔の生涯

「みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ――」。この歌は、中納言兼輔によって詠まれたものですが、日常生活からは想像もつかないほど優雅で、情緒にあふれた世界が広がります。