古典~現代短歌

日本の歌人と短歌と合わせて身近な植物と雑学を紹介します。

古典~現代短歌

【川と短歌】『11選』の歴史と物語―日本の河川と文学エピソード集

私たち日本人にとって、「川」はただの水の通り道ではありません。古くから人々の暮らしのそばにあり、詩歌や物語の中にもたびたび登場してきました。例えば、日本最大の流域面積を持つ利根川。どんなに雄大とはいえ、アメリカのミシシッピ川のように大河小説や文豪の逸話で語られることは珍しく、その姿にはどこか慎ましさを感じさせます。
百人一首

鮮やかな紅葉に託した祈り【菅家】「このたびは」の深読み解説

「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」は、旅の途上、あるいは人生そのものの道行きを美しい紅葉に託し、神仏への祈りと人の誠意を見事に織り込んだ名作です。
百人一首

【大江千里】の名歌『月見れば千々に物こそ悲しけれ』解説

「月見れば千々に物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」この歌には、複雑な技巧や難解な言葉はありません。しかし、「千々に」「わが身ひとつ」の対比や、月の存在感、寂しさと普遍性が見事に重なり合い、読む者の心を優しく揺らします。
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百人一首

【文屋康秀】「吹くからに」の魅力解説と現代語訳

「吹くからに秋の草木のしをるれば やまかぜむべ山風をあらしといふらむ」は、一読して「なるほど!」と思わず膝を打つ、巧みな言葉遣いと遊び心にあふれています。作者は、強い風を指して「あらし」と呼ぶその理由を、自然現象と日本語の言葉の響き・成り立ちに求めています。
百人一首

秋の有明の月に映る想い百人一首「今来むと」【素性法師】を深掘り

この歌は、男から「すぐに行く」と約束された女性が、その言葉を信じて秋の長い夜を、明け方の有明の月が出るまで待ち続けた切ない心情を詠んだものです。男女間の駆け引きの一コマ、平安の恋愛事情が、繊細な言葉で表現されています。
百人一首

百人一首【元良親王】の恋歌――激しい情熱と平安恋物語の真実

現代人の私たちが「恋」という言葉に心動かされるように、千年以上も昔の平安貴族たちもまた、出会いと別れ、思い悩む恋を歌に託してきました。百人一首に収められている和歌は、その時代の空気や背景が映し出されており、一首ごとに物語が詰まっています。
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百人一首十九番「難波潟短き蘆のふしの間も」【伊勢】が詠んだ恋の名歌!

十九番の歌として知られる伊勢作「難波潟短き蘆のふしの間も」は、時代を越えて人々の心を打ち続けています。身分も立場も異なる者同士が惹かれ合う恋は、時として叶わぬもの。でも、その想いの切なさや情熱は、現代の私たちにも響く普遍的なテーマです。
百人一首

住の江の岸に寄る波【藤原敏行】と平安の恋心を読み解く!

平安時代の人々が心のうちに秘めた恋の想い――それは繊細な言葉や美しい自然の情景に重ねて表現されてきました。恋しい人を直に訪れることさえためらわれた時代、夜陰や夢の中ですら、恋する者たちは様々な想いを馳せました。
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「ちはやぶる神代も聞かず 龍田川」―【在原業平】と紅葉の魅力

奈良県を流れる龍田川。百人一首にも選ばれ、今もなお多くの人々に愛され続けている和歌「ちはやぶる神代も聞かず龍田川 からくれなゐに水くくるとは」この歌の詠み手は六歌仙のひとり、在原業平。情熱的で華やかな恋の歌人として知られ、彼の人生そのものが魅力的な物語です。
百人一首

「立ち別れいなばの山」現代語訳と解説【中納言行平】と百人一首の魅力

別れの瞬間ほど、気持ちを伝えることの難しさを痛感する場面はありません。人は人生のさまざまな場面で、愛する人や大切な仲間と「別れ」を経験します。そのとき、どんな言葉で自分の心を相手に伝えられるでしょうか――。