古典~現代短歌

日本の歌人と短歌と合わせて身近な植物と雑学を紹介します。

古典~現代短歌

百人一首30番 壬生忠岑 有明月解説

月は古くから日本文学において、別れや寂しさを象徴するモチーフとして多く詠まれてきました。壬生忠岑(みぶのただみね)の「有明のつれなく~」は、『古今和歌集』巻十三・恋三に収められており、恋愛感情の機微を繊細に表現した名作として知られています。
古典~現代短歌

百人一首29番 凡河内躬恒 白菊初霜解説

今回ご紹介する凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の和歌「心あてに折らばや折らむ初霜のしらぎく置きまどはせる白菊の花」は、その初霜と白菊が織り成す美しい対比を巧みに詠んだ作品です。
古典~現代短歌

百人一首28番 源宗干(源宗干朝臣) 冬山里の寂しさ解説

源宗干(みなもとのむねひろ)の和歌「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば」は、その冬の山里の寂しさを通して、作者自身の心情や人生観を映し出しています。この歌は単なる自然描写を超え、時代背景や作者の生涯とも密接に結びついているため、その深い意味を知ることで一層味わい深くなります。
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古典~現代短歌

少女・乙女・処女の短歌に込められた想い『12選』

「少女」「乙女」「処女」という言葉は、日本の古典文学や和歌、特に短歌において、時代ごとの女性像や純粋さ、青春への憧れを象徴する特別な存在として詠まれてきました。『万葉集』から近現代の歌人まで、多くの作品で用いられてきました。
百人一首

百人一首「みかの原わきて流るる」解説と中納言兼輔の生涯

「みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ――」。この歌は、中納言兼輔によって詠まれたものですが、日常生活からは想像もつかないほど優雅で、情緒にあふれた世界が広がります。
百人一首

優美な小倉山の紅葉と藤原忠平―百人一首を深く読む

秋の京都、嵯峨野にそびえる小倉山。その山の峰を彩る紅葉は、古くから数々の歌に詠まれてきました。風がそよぎ、川のせせらぎが響く中、真っ赤に染まったもみじは日本人の心を捉えて離しません。
百人一首

百人一首25番—三条右大臣『さねかづら』の恋と謎を徹底解説

百人一首を彩る名歌の世界:三条右大臣の恋歌に寄せて平安時代を彩る和歌の名作。そのなかでも『百人一首』は、日本の伝統文化や古き良き日本人の情愛を今に伝える歌集として、長い歳月を経てもなお多くの人に愛されています。和歌は、わずか三十一文字で深い...
古典~現代短歌

【川と短歌】『11選』の歴史と物語―日本の河川と文学エピソード集

私たち日本人にとって、「川」はただの水の通り道ではありません。古くから人々の暮らしのそばにあり、詩歌や物語の中にもたびたび登場してきました。例えば、日本最大の流域面積を持つ利根川。どんなに雄大とはいえ、アメリカのミシシッピ川のように大河小説や文豪の逸話で語られることは珍しく、その姿にはどこか慎ましさを感じさせます。
百人一首

鮮やかな紅葉に託した祈り【菅家】「このたびは」の深読み解説

「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」は、旅の途上、あるいは人生そのものの道行きを美しい紅葉に託し、神仏への祈りと人の誠意を見事に織り込んだ名作です。
百人一首

【大江千里】の名歌『月見れば千々に物こそ悲しけれ』解説

「月見れば千々に物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」この歌には、複雑な技巧や難解な言葉はありません。しかし、「千々に」「わが身ひとつ」の対比や、月の存在感、寂しさと普遍性が見事に重なり合い、読む者の心を優しく揺らします。