認定調査員が訪問して調査
申請書が市町村に受理されると、認定調査員が自宅や施設を訪問して聞き取り調査を行います。
日時の問い合わせがあるので、家族は立ち会える日に認定調査調査を受けましょう。
本人の体調が悪い場合は、別の日に再調査してもらいます。
認定調査は
調査票の項目に従い、住所や氏名などの「概況調査」
調査員が当てはまる状況をチェックする「基本調査」
具体的な状況を記述する「特記事項」
訪問調査は約1時間
本人の心身の状態を確認し、家族の話を聞いてもらう。
そのため、事前の準備が必要です。
基本調査項目と調査例を確認し、これまでにかかった病気や怪我などはメモにしてまとめておきます。
日頃の介護日誌があれば用意しておき、本人の前で言いにくいことはメモに書いて調査員に渡します。
認定調査を上手に受けるコツは
いつも通りに振る舞えず調査員の前で張り切ってしまう(普段出来ないことを無理にやって見せたり、できないことをできると言い張ったりします)
認定調査には、本人をよく知る人が立会い、別室などで事実を伝えましょう。
困ってることをメモ書きに
介護する人が困っていることはメモにしてまとめておいたほうが良いでしょう。
日頃の様子と合わせ「夜中に歩き回るため家族は不眠」など具体的に伝えることが大事です。
曖昧な表現はしないこと。「 物忘れがある」ではなく「食事をしたことを忘れて催促する」「家族の顔や名前がわからないときがある」「家族が3時間ごとにトイレに連れて行き、衣服の着替えを手伝っている」など具体的に説明しましょう。
大切なのは、ありのままの事実を正確に伝えること。
控えめに伝えたり、オーバーに話したりしないよう気を付けましょう。
要介護度を正確に判定することはできません。
基本調査項目と調査例について
基本調査の調査項目は高齢者の心身の特徴示す指標となっています。
過去1か月の日常を振り返り、67項目について「できる・一部ならできる・できない」といった択一式で答えます。
身体機能・起居動作
高齢者の麻痺、拘縮、寝返りといった基本的な動作や寝居に関する能力を示します。
①麻痺等の有無(複数回答可)
- ない
- 左上肢
- 右上肢
- 左下肢
- 右下肢
- その他(四肢の欠損)
②拘縮の有無(複数回答可)
- ない
- 肩関節
- 股関節
- 膝関節
- その他(四肢の欠損)
③寝返り
④四起き上がり
⑤座位
⑥両足での立位保持(立っていられるかどうか)
⑦歩行
⑧立ち上がり
⑨片足での立位
⑩洗身
⑪爪切り
⑫視力
⑬聴力
生活機能
日常生活に必要な機能を把握する指標。
生活上の障害に対する介助の状況。(どんな改造を受けているか)
- 移乗
- 移動
- 嚥下(飲み込み)
- 食事摂取
- 排尿
- 排便
- 口腔清浄
- 洗顔
- 整髪
- 上衣の着脱
- ズボン等の着脱
- 外出頻度
認知機能
認知機能の程度を示します。
- 意思の伝達
- 毎日の日課を理解
- 生年月日や年齢を言える
- 短期記憶
- 自分の名前を言える
- 今の季節を理解
- 場所の理解
- 徘徊
- 外出すると戻れない
精神・行動障害
認知症等による行動障害の有無と程度を示します。
- 物を盗まれたなどと被害的になる
- 事実とは異なる話をする
- 泣いたり、笑ったりして感情が不安定になる
- 昼夜の逆転がある
- しつこく同じ話をする
- 大声を出す
- 介護に抵抗する
- 「家に帰る」などと言い落ち着きがない
- 一人で外に出たがり目が離せない
- 色々なものを集めたり無断で持ってくる
- 物を壊したり衣類を破いたりする
- ひどい物忘れ
- 意味もなく独り言や独り笑いをする
- 自分勝手に行動する
- 話がまとまらず会話にならない
社会生活への適応
地域での社会生活を維持するために必要な能力や介助の状況を示すます。
- 薬の内服
- 金銭の管理
- 日常の意思決定
- 集団への不適応
- 買い物
- 簡単な調理
特別な医療について(過去を14日間に受けたもの・複数回答可)
- 点滴の管理
- 中心静脈栄養
- 透析
- ストーマ(人工肛門)の処理
- 酸素療法
- レスピレーター(人工呼吸器)
- 気管切開の処置
- 疼痛の管理
- 経管栄養
- モニター計測定かっこ(血圧、心拍、酸素飽和度等)
- じょくそう(床ずれ)の処置
- カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマなど)
調査員が判断しやすいように、実際にはどこまでできるのか、介助がどの程度必要なのか正確に伝えることが重要です。
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