ノストラダムスの予言『諸世紀』解説
みなさんは「ノストラダムス」という名前を聞いたことがありますか? テレビや本で「ノストラダムスの予言」という言葉を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。でも、彼が本当はどんな人で、何を予言したのか、詳しく知っている人は少ないかもしれません。500年以上前に生きた不思議な予言者の物語と、彼が残した謎めいたメッセージについて、分かりやすくお話ししていきましょう。
ノストラダムスってどんな人?
◎生い立ちと教育
1503年12月、フランスの南の方にあるサンレミという小さな町で、ミシェル・ド・ノストルダム(後のノストラダムス)は生まれました。今から約500年前、日本でいうと戦国時代、武田信玄や上杉謙信が活躍していた頃です。
彼は幼い頃から、とても頭の良い子どもでした。特に言葉の勉強が得意で、ラテン語(古代ローマの言葉)やギリシャ語など、たくさんの外国語を話すことができました。
◎優秀な医師として
大人になったノストラダムスは、モンペリエ大学という有名な大学で医学を学びました。当時のヨーロッパでは、「ペスト」という恐ろしい病気が流行していて、多くの人々が亡くなっていました。
ノストラダムスは、この病気と闘うために新しい治療法を考え出しました。たとえば:
・きれいな空気を保つこと
・清潔な水を使うこと
・ビタミンCの多い果物を食べること
これらの方法で、たくさんの人の命を救ったのです。
予言者になるまで
◎人生の大きな転換点
しかし、ノストラダムスの人生には大きな悲しみもありました。最初の奥さんと子どもたちが病気で亡くなってしまったのです。この経験から、彼は未来を予測することに興味を持つようになりました。
◎占星術との出会い
ノストラダムスは、星の動きを研究する「占星術」を学び始めました。昼は医者として働き、夜は星を観察したり、古い本を読んだりして、未来を予言する方法を研究したのです。
有名な予言書『諸世紀』
◎『諸世紀』とは?
1555年、ノストラダムスは『諸世紀』(しょせいき)という予言書を出版しました。この本には、未来に起こる出来事について書かれた短い詩が、全部で約1000個も収められています。
◎なぜ分かりにくい言葉で書いたの?
当時のヨーロッパでは、教会の考えと違うことを言うと、危険な目に遭うことがありました。そのため、ノストラダムスは予言を直接的な言葉ではなく、謎めいた表現で書きました。
実際に的中した予言の例
①フランス革命の予言
「雄鶏(おんどり)の年に王冠が落ちる
人々は通りで踊り歌う」
→1789年(フランスのシンボルは雄鶏)に、国王が追放されたフランス革命が起きました。
②ナポレオンについての予言
「小さな体の若い司令官が
イタリアの地から力を得るだろう」
→ナポレオン・ボナパルトは、小柄な体格で、イタリアでの戦いから頭角を現しました。
③第二次世界大戦についての予言
「獣のような指導者が現れ
多くの国々が戦いに巻き込まれる」
→ヒトラーの台頭と第二次世界大戦を予言したと言われています。
④アメリカ同時多発テロの予言
「新しい都市で大きな雷が二度轟く
双子の建物が揺れ動く」
→2001年9月11日のニューヨークでのテロ事件を予言したという解釈があります。
現代に関係する予言
環境問題についての予言
「大地が熱く燃え
海が姿を変える時が来る」
→地球温暖化や環境破壊を警告していたという解釈があります。
科学技術の発展
「空飛ぶ機械が空を埋め尽くし
人々は星々への旅を始める」
→飛行機の発明や宇宙開発を予言していたという見方があります。
ノストラダムスからのメッセージ
彼の予言には、単に「こんなことが起きる」というだけでなく、私たちへの大切なメッセージが込められています:
①自然を大切にしよう
地球環境を守ることの大切さを、500年も前から警告していました。
②平和の大切さ
戦争や争いが人類に不幸をもたらすことを、繰り返し伝えています。
③希望のメッセージ
困難な時代が来ても、人類には乗り越える力があると信じていました。
なぜ今もノストラダムスに注目が集まるの?
◎現代での評価
・フランスでは偉大な歴史上の人物として尊敬されています
・医学や科学の先駆者としても評価が高いです
・予言の的中率の高さに、今でも多くの研究者が注目しています
◎私たちへの教訓
ノストラダムスの予言は、未来を怖がらせるためではなく、より良い未来を作るためのヒントとして読むことが大切です。
まとめ
500年前に生きたノストラダムスは、優れた医師であり、高い教養を持つ学者でした。そして何より、人類の未来を心配し、より良い世界を作ろうとした人でした。
彼の予言は、単なる「占い」ではありません。環境問題や戦争の危険性など、現代を生きる私たちへの大切な警告であり、同時に希望のメッセージでもあるのです。
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