中野 嘉一(なかの かいち/よしかず)
1907年~1998年 愛知県に生まれ。歌人、詩人。精神科医。
第二次大戦前は、自由律短歌の志向に共感。前田夕暮の「詩歌」に参加。みずからも自由律の歌誌「ポェジー」を創刊。新短歌運動、シュールレアリスムの影響を色濃く受けて「純粋ポエジー」を唱えた。宮崎信義らと「新短歌」を創刊。モダニズム短歌 の先駆をなした。
一方、現代詩人として、「暦象」を創刊。 『前衛詩運動史の研究』を上梓する。
また、精神科医でもあり、武蔵野病院で太宰治の主治医をつとめた。
中野 嘉一 著作
1930年 第一歌集『十一人』 白日社
1961年 歌集『秩序』 新短歌社
1967年 『新短歌の歴史 自由律運動半世紀の歩みと展望』 昭森社
1973年 『新短歌鑑賞』 芸術と自由社
1993年 歌集『メレヨン島の歌』 宝文館出版
1995年 『新短歌と詩のあいだ 非定型の美学をもとめて』 芸術と自由社
参考〈フリー百科事典〉
中野 嘉一 短歌
木車 二 ハカナキ雑草ヲ積ミ十年経ツト日ガ昏レテヰタ 『秩序』
君ら 護謨の葉らよ M隊商の芳名簿に香水の花と白き尺度を与へ給へ
春の日麒麟のやうな山のかげに僕の生れた村が見える
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