【伊藤一彦】『5選』知っておきたい古典~現代短歌!

露草

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伊藤一彦 (いとうかずひこ) 

1943年~ 宮崎県出身 歌人。

日本の歌人であり、宮崎県宮崎市出身・在住です。宮崎県立宮崎大宮高等学校、早稲田大学第一文学部哲学科を卒業。大学時代に友人の福島泰樹のすすめで短歌を始め、早稲田大学短歌会に入会し、三枝昂之らと交流を深めました。卒業後は宮崎に帰郷し、教員として働くかたわらで作歌活動を続けました。

伊藤は郷土の歌人・若山牧水の研究者としても知られ、若山牧水記念文学館長や「牧水研究会」会長を務めています。同会が編集した『牧水研究』第8号は2011年に第9回前川佐美雄賞を受賞しました。さらに、宮崎県立図書館長、名誉館長を務め、宮崎公立大学教授や宮崎県立看護大学客員教授としても活躍しています。

2009年からは読売文学賞の選考委員を務めるほか、毎日新聞、産経新聞、西日本新聞、宮崎日日新聞、熊本日日新聞の歌壇選者としても活動し、現代短歌の発展に寄与しています。

伊藤一彦 短歌

おとうとよ忘るるなかれ天翔ける鳥たちおもき内臓もつを

『瞑鳥記』より

おぼれてはならざるものを山脈に正され帰るとき湧れたり

おろそかにしているゆえや家の霊さわげり雨夜のこぎりを挽く

父がうたう歌は軍歌のほかになく馬のにおいのする霧のなか

虹斬ってみたくはないか老父よ種子蒔きながら一生終るや

 

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