ナンテンとは
ナンテンは中国原産で、山地に自生し、また庭木としてもよく植えられる常緑低木で高さは2mぐらいになります。中国では南天燭と言います。
種は果皮を除いて蒔かないと発芽しません。
鳥の消化管を通って蒔かれたものはよく生えるといいます。
梅雨の時期に白い花をつけますが、濡れると実を結ばなくなる可能性があるのでなるべく雨の当たらないところに植えた方が良いでしょう。
実は赤色のほか白や藤色の実をつけるものもあります。
玄関先や庭にある縁起もの
ナンテンは昔から縁起の良い植物とされ、正月の掛軸にはナンテンと水仙とを描いた天仙図がよく用いられます。
昔の武士達たちは木の葉を鎧櫃の中に納め、出陣に際しては枝を床に飾って戦勝を祝しました。
『本草綱目』(中国の本草学史上、分量と内容がもっとも充実した薬学書)では「枝葉は下痢を止め、腫を除き、筋を強くし、気力を益し、久しく服すれば身を軽くし、髪を黒くし、老いることがない」書かれています。
お米に混ぜて炊くという習慣もあり、お祝い事の赤飯にナンテン添えるという我が国の習慣はこれが変化したものだろうとされています。
毒性
ナンテンはのど飴が有名ですが、このナンテンの実が咳の出る風邪、百日咳、喘息などの咳止めに効果があります。
白い実の方が効果が良いとされていましたが、成分的な根拠がありません。赤い実で大丈夫です。
また、ナンテンは毒性も併せ持つため用量に注意が必要となり、また身体が冷える人への服用は禁忌とされています。
有効成分メチルドメスチシンというアルカロイドだとされ、これには知覚神経及び運動神経に対する強い麻薬作用があります。
民間療法として
風邪には
乾燥した果実5~10gを1日量として煎じて服用します。
また黒焼きにして、砂糖を混ぜて適度になめるという方法もあります。
扁桃炎には
ナンテンの実、1日量30gをよく砕いてから煎じ、うがいをしながら服用します。南天には赤い実のなるものと白い実のなるものをとの二種類があり成分的な差はありません
民間療法は白い方が多く用いられています
うがい
白ナンテンの葉は緑色が強く、赤ナンテンの葉は黒っぽいので区別できます。この白ナンテンの葉をすり鉢ですって青汁を作り、2倍の水で薄めてうがいをするという方法もあります。(これは白ナンテンに限ります。服用してはいけません)
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