尾崎左永子(おざきさえこ)
1927年11月5日~ 東京出身。歌人。
戦争に失ひしもののひとつにてリボンの長き麦藁帽子 『さるびあ街』
冬の苺匙に圧しをり別離よりつづきて永きわが独りの喪
ゆくりなく放たれし赤き風船が雲に近づきながらかがやく
昏むまで降り積む雪に紛れゆき還らぬものを過去という 『土曜日の歌集』
五月は喪服の季節といへり新緑の駅舎出づればまぶしき真昼 『彩を転』
鎌倉は夕ぐれはやし柳小路しぐれて遠き黄の灯あかるむ 『春雪ふたたび』
尾崎左永子(おざきさえこ)
1927年11月5日~ 東京出身。歌人。
戦争に失ひしもののひとつにてリボンの長き麦藁帽子 『さるびあ街』
冬の苺匙に圧しをり別離よりつづきて永きわが独りの喪
ゆくりなく放たれし赤き風船が雲に近づきながらかがやく
昏むまで降り積む雪に紛れゆき還らぬものを過去という 『土曜日の歌集』
五月は喪服の季節といへり新緑の駅舎出づればまぶしき真昼 『彩を転』
鎌倉は夕ぐれはやし柳小路しぐれて遠き黄の灯あかるむ 『春雪ふたたび』
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