ユマニチュードって何のこと?
家族における介護者は介護のプロではありません。
しかし、認知症高齢者の生活習慣や生活、性格をよく知っているのは、最も身近な存在である介護者です。
家族や介護者が適切な対応を心がけるだけで、症状が良くなるケースも十分にあります。
近年、注目されている認知症ケア【ユマニチュード】
フランス人の体育学の専門家イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが開発したユマニチュードの技法は『見る』『話す』『触れる』『立つ』の4つの柱で構成されています。
それぞれに基本的な技術があり、数は150ほど。
全てをマスターする必要はありません。
基本を抑え、それらを組み合わせて高齢者に接しましょう。
高齢者や認知症の方をケアする際、この手法が少しでも頭に入っていればお互いがとても楽になります。計画通りにならなくても、心にゆとりを持った介護をしていきましょう。
四つの柱を組み合わせて使ってみましょう。
見る
認知症の高齢者に接する時、相手を振り向かせようと、後ろや斜めから声かけしてはいませんか。
それでは相手の関心を自分に引き寄せることはできません。
後ろから大きな声を呼べば驚かせてしまいます。
座っている人に立ったまま話しかけても威圧感を与えるだけです。
ユマニチュードでは、こちらが動いて同じ目の高さになり、目を見つめます。
車椅子の人などは自分もしゃがんで同じ高さになり、なるべく近い距離から目を見ましょう。
うつむいている人や横を向いてる人をこちらに向かせるのではなく、自分の顔を相手の正面に動かして視線を捕まえます。
じろじろ長く見つめるのは相手を怖がらせるだけです。
視野が狭くなりがちな高齢者と目をしっかり合わせ、お互いの存在を確認してから次のステップに移ります。
話す
大きな声で話す必要ありません。
優しい言葉、前向きな言葉で話しかけます。
触れる
認知症の患者さんはつかまれることに恐怖を抱き、自分から動こうとしなくなります。
体に触れる際は、広い面積に手を当てるようにします。
立ち上がる時の介助が手首を掴んだり脇を持ち上げて立たせたりするのではなく。肘の下から手を添えるようにします。
車椅子を押す場合は後ろからそっと肩に触れるのも良いでしょう。
相手の嫌がる事はせず、優しく背中をさするだけで安心してもらえるようになります。
立つ
認知症の患者さんが寝たきりにならないよう、自力で立つことをサポートします。
立つことで筋力の低下を防ぐことができ、呼吸機能の劣化も抑えることができます。
転ぶと危ないからと寝かせておくのではなく、残っている身体的な機能を長く維持させるためにも、立ったままの歯磨きや洗顔、着替えをサポートします。
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