柚子の木
冷え性と冷え症の違い
『冷え性』とは、検査等ではっきりとした異常がないにもかかわらず、冷えを感じないような温度で、手、足、腰、背中、頭部、膝などの特定の部位のみが特に冷たく感じるものとされています。
自分で冷える事を自覚していて、貧血、低血圧、甲状腺機能低下症、膠原病などの原因がある場合の冷えを『冷え症』といいます。
東洋医学ではどちらも『冷え症』として捉えるようです。
冷え性の原因
1.神経が寒さや冷たい風などに敏感になっている。
2.心臓、腎臓、血管などの循環系の障害によって起こる。
3.自律神経機能の失調で、血管運動神経が障害し、毛細血管が収縮して血行が妨げられる。
4.貧血、低血圧のため冷たく感じる。
5.ホルモンの分泌失調から起こる。
6.婦人病からくる。
7.精神の緊張が引き金になって起こる。
いずれにしても冷え性の診断は本人の冷えるという自覚症状が頼りです。
冷え性は体が冷えるという症状以外に、冷え、のぼせ、頭痛、肩こり、下腹部痛、腰痛、不眠症、夜尿、などの神経症状をいっしょに起こすことが多いようです。
下腹部が冷えると腸の運動が悪くなり便秘、下痢、食欲不振になったり、子宮や卵巣の病気を起こして下腹部が痛む他、早産や流産の原因にもなります。
薬湯 入浴剤の始まり
桃の木
古代中国の『詩経』や『漢書』『礼儀志』では、3月の桃の花が散る頃、東に流れる川のほとりで香りの強い薬を持って沐浴し、厄除けをする習わしがあったことが、述べられています。
この習慣は、端午の菖蒲湯、土用入りの桃湯、冬至の柚子湯、正月の初湯となって今に残っています。
この湯浴に病気を治すという目的が出てきて、江戸時代には薬湯というものが出現しました。
江戸時代、小山忠兵衛という人が薬草入れる薬湯を始め、いっしょにそのための薬草も売るようになりました。これが我が国の入浴剤の初めだと言われています。
薬湯は日本人の風呂好きもあって、その後普及し、今日では色々な目的で使われています。
薬湯は特に体を温める効果的な方法で、冷え性に用いられるものが数多くあります。
冷えに効く薬湯
菖蒲湯(ショウブ湯)
菖蒲の葉を入れて風呂をわかします。独特の芳香はアサロンという成分のためです。血液循環を良くし身体を温め、腰痛や神経痛にも効果があるとされています。
昔から端午の節句には菖蒲湯を立てたりします。よもぎと共に軒にさし邪気を払う習慣がありまた。5月5日、貴族たちが宮廷に参内する時カツラにして頭にかけたとも伝えられています。
その他 薬湯
○柚子の実または果皮を3~6個、風呂に入れる。
○大根の葉を干して3~5株を直接風呂に入れる
○よもぎの葉を取った後の太い茎を刻んで干したもの200gを木綿の布袋に入れて風呂に入れる。
○マタタビの果実の干したもの、またはつるを刻んで干したもの100gを木綿の袋に入れて風呂に入れる。
○ゴシュユの葉、枝、実を一緒に刻んで干したもの100gを木綿の袋に入れて風呂に入れる。
○マツブサのつるを刻み木綿の布袋に入れて風呂に入れる。
○ヨロイグサの根を刻んで木綿の布を袋に入れて風呂に入れる。
○ソクズ葉を風呂に入れる。
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