介護保険 危機感 全国自治体調査 最新報告!

介護保険 危機

介護保険 危機

介護保険制度の危機感が全国で広がる理由

日本の介護保険制度は2000年に始まり、25年以上が経過しました。高齢化の進展に伴い、介護を必要とする人は増え続けていますが、その一方で介護現場では深刻な人手不足や費用の膨張といった課題が山積しています。共同通信社が2024年に実施した全国47都道府県と1741市区町村の首長を対象としたアンケート調査では、97%もの自治体トップが介護保険サービスの持続に強い危機感を抱いていることが明らかになりました。

この調査からは、現場の介護職員不足や給付費用の急増が制度維持を脅かしている実態が浮き彫りとなっています。特に2040年頃には75歳以上の後期高齢者数がピークを迎え、介護ニーズはさらに増加する見込みです。多くの自治体では利用者負担や公費負担の引き上げも検討すべきだと考えており、安全で質の高いサービス提供を継続するためには抜本的な改革が急務となっています。

介護保険 持続危機 97% 全国自治体調査

共同通信社による2024年6月から7月にかけて行われた全国47都道府県知事と1741市区町村長へのアンケート調査は、96%に当たる1723人から回答を得ました。その結果、97%もの首長が「介護保険サービス提供体制の持続に危機感」を示しました。

この危機感は主に二つの大きな要因によります。一つは「介護現場で働く人材不足」です。調査回答者の72%がこれを最も大きな問題として挙げており、低賃金や業務負担の重さから介護職員数は減少傾向にあります。特に地方では若年層流出も加わり、人手不足は深刻化しています。2040年には約57万人もの介護職員が不足すると推計されており、「介護難民」の増加も懸念されています。

もう一つは「給付費用の膨張」です。2000年度開始時点で約3兆2000億円だった給付費は2023年度には約10兆8000億円へと3倍以上膨らみました。この増加は高齢者人口増加だけでなく、サービス内容拡充や医療技術進歩による長期化も影響しています。国・地方・利用者それぞれへの財政負担増大は避けられず、多くの自治体首長(85%)が負担引き上げ検討を支持しています。

また人口密度の低い山間部などでは訪問介護事業所など事業者撤退や新規参入回避も顕著であり、地域格差拡大も課題です。

現状の問題点・課題

  • 人手不足:低賃金・過重労働・精神的ストレスなどから離職率高止まり。特に地方では若年層流出も重なり慢性的な人材不足。
  • 財政負担増大:高齢化による利用者増加、医療技術進歩による長期ケア化等で給付費用急増。国・地方・利用者への負担圧迫。
  • 地域格差:人口密度低い地域で訪問系サービス事業者撤退相次ぎ、高齢者孤立や「介護難民」発生リスク。
  • 制度疲労:開始25年以上経過し制度設計見直し必要だが政治的合意形成難航。
  • 利用者負担問題:現行1割負担原則だが2割・3割拡大議論あり、高齢者家計への影響懸念。
  • ICT活用遅れ:情報通信技術導入遅延で業務効率化進まず、人手不足解消効果限定的。

解決策・改善案

  • 処遇改善・賃上げ促進:国・自治体予算投入し給与水準引き上げ、人材確保へインセンティブ強化。
  • 多様な働き手受け入れ推進:外国人労働者受け入れ拡大、定年延長、高齢者再雇用促進。
  • ICT・ロボット活用推進:見守りセンサーやケアロボット導入支援で作業効率向上、人手不足緩和。
  • 地域包括ケア強化:地域資源活用した多職種連携モデル構築、小規模多機能型居宅支援拡充。
  • 財政基盤強化策検討:公費割合見直しや利用料段階的引き上げ検討、市民理解促進策同時実施。
  • 制度改革推進:給付範囲見直しや予防重視政策強化、新たな社会保障枠組み模索。

 

厚生労働省「令和4年度介護労働実態調査」では2022年度時点で約215万人だった介護職員数は26年度には240万人必要とされ、不足数25万人超えと報告されています。また共同通信社2024年調査では87%超える自治体首長が賃上げ優先施策として挙げています。

経済産業省データによるとICT導入支援補助金交付件数はまだ十分とは言えず、多く施設で運用困難との声があります。一方フィリピンなど東南アジア諸国からの技能実習生受け入れ数は2019年以来着実に増加し2024年12月末時点で約4万4000人となっています。

今後展望・社会影響

2040年頃まで高齢人口ピーク到来予測される中、需要拡大必至。しかし供給側環境厳しく、不適切対応放置すれば「介護難民」増加社会的不安定要因となります。一方改革成功すれば質向上のみならず新産業創出・地域活性化にも寄与可能です。

 

まとめ

この調査結果を見ると、日本中どこでも介護保険制度への強い不安を抱えていることがよくわかります。特に現場で働く人材不足という問題は根深く、多くの自治体首長たちが切実な声をあげています。また財政面でも給付費用が急激に膨らみ続けていることから、このままでは制度そのものが持続不可能になる恐れがあります。私たち一人ひとりにも他人事ではなく、自分たち自身で考え行動しなければならない問題だと感じました。

 

参考文献URL
共同通信社 全国自治体アンケート
厚生労働省 令和4年度 介護労働実態調査
経済産業省 ICT導入補助金

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