【阿木津英 】『11選』知っておきたい古典~現代短歌!

 

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阿木津 英 (あきつ えい)

1950年~ 本名 末永英美子 福岡県出身。歌人。

短歌結社「八雁」主宰。現代短歌にフェミニズム思想を導入、女歌運動に影響を与える。

歌集『紫木蓮まで・風舌』(第7回現代歌人集会賞) 『天の鴉片』(第28回現代歌人協会賞)『白微光』『阿木津英歌集』『イシュタルの林檎』『巌のちから』『二十世紀短歌と女の歌』 『黄鳥 1992〜2014』など

 

阿木津 英 短歌

ああああと声に出だして追い払うさびしさ はタイル磨きながらに 『紫木蓮まで・風舌』

いにしえの王のごと前髪を吹かれてあゆむ 紫木蓮まで

産むならば世界を産めよものの芽の湧き立つ森のさみどりのなか

女をば換うれば性欲兆すという生理学的根拠ありや否や

唇をよせて言葉を放てどもわたしとあなたはわたしとあなた

魂を拭えるごとく湯上りの湯気をまとえる乳をぬぐえり

注文をするとき笑みているわれを肉屋の鏡のなかに見出でつ

饅頭の類思いてこの昼のあらき食欲をしずめとす

自らのこころ幾つ記した夕ぐれにして牛の臓食う

あけぼのをもつれつつ来て遠ぞける鴉ふたつの二いろの声 『天の鴉片』

崖畑を高き道路の下に見つ二うね揺らぐは韮の玉花

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