【稲、米の歌】『9選』 知っておきたい古典~現代短歌!

稲穂

稲穂

稲(米)と歌

稲はイネ科イネ属の植物で、トウモロコシや小麦に並ぶ、世界三大穀物の一つです。昨今では消費が落ちてきたものの、稲の種子である米を主食としてきた日本人にとっては、四季の変化を教えてくれる生活の中心植物です。

『万葉集』の東歌の中には、農村で伝承された民謡らしい、稲の民俗の歌があります。

けばかかが手を今夜こよひもか殿の若子わくごが取りて嘆かむ  作者未詳

おしていなと稲はかねど波の穂のいたぶらしもよ昨夜きそ独り寝て  作者未詳

鳰鳥にほどりの葛飾早稲わせにへすともそのかなしきをに立てめやも  作者未詳

稲、米の短歌

稲刈りて淋しく晴るる秋の野に黄菊はあまた眼をひらきたり  長塚節

稲を扱く器械きかいおとはやむひまの無くぞ聞こゆる丘のかげより  斎藤茂吉

稲を刈る手鎌にきて野休みにくらふ西瓜はしたたりにけり  吉植庄亮

ものおもひなく 我は遊べど、鳥の如 夜目ぞ衰ふ。米を喰はねば  釈超空

見下しの棚田の面に浮苗は片寄りにけり日本の平和  宮柊二

空暗く雨しぶくなかに苗代を作る幾村をすぎてきにけり  岡野弘彦

 

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