サイコパスの真実と脳科学が解き明かす意外な実態
サイコパスとは、罪悪感なく嘘をつき、他人の痛みを感じない特殊な人格を指します。外見は魅力的で会話も巧みですが、不正や犯罪を冷静に遂行し、自分を被害者のように装うこともあります。もともとは連続殺人鬼など反社会的人格の説明に用いられましたが、精神医学では明確な分類はなく誤解も多いです。近年の脳科学研究で、共感や痛みを認識する脳の部分が一般人と異なることが判明。サイコパスは犯罪者だけでなく、大企業CEOや政治家など決断力が求められる職業にも多いことがわかりました。約100人に1人存在し、人類進化にも関与している可能性があります。最新脳科学がその謎に迫ります。
【本から得た気づき】
イギリスの心理学者ケビン・ラットンによる調査では、サイコパス傾向の強い職業ランキングが示されています。
- サイコパスの多い職業トップ10:
1位 企業最高経営責任者(CEO)
2位 弁護士
3位 マスコミ報道関係(テレビ・ラジオ)
4位 セールス
5位 外科医
6位 ジャーナリスト
7位 警官
8位 聖職者
9位 シェフ
10位 公務員
- サイコパスの少ない職業トップ10:
1位 介護士
2位 看護師
3位 療法士
4位 技術者・職人
5位 美容師・スタイリスト
6位 慈善活動家・ボランティア
7位 教師
8位 アーティスト
9位 内科医
10位 会計士
【感想】
このランキングを見ると、「なるほど」と思う反面、先入観で「この職業だからサイコパスが多い」と決めつけるのは危険だと感じます。ただし、多い職業は冷静さや嘘をつくことに罪悪感を持たず物事を進める能力が求められる場面が多い印象です。一方で少ない職業だからといって全くいないわけではありません。あくまで参考情報として頭に留めておくべきとしました。
【まとめ】
『サイコパス』は単なる犯罪者像ではなく、私たちの日常や社会にも深く関わっている存在であることを教えてくれます。最新の脳科学研究によって、共感や痛みを感じる脳領域の機能差という客観的な視点から彼らの特徴が理解されつつあります。また、サイコパス傾向は決断力や大胆さとも結びつき、企業経営者や政治家など成功者にも一定数存在するという点は驚きでした。約100人に1人という割合は決して珍しいものではなく、人類進化にも寄与した可能性まで示唆されているため、このテーマへの理解を深めることは現代社会でも重要です。本書は誤解されがちなサイコパス像を正しく捉え、多様な視点から考えるきっかけとなりそうです。
ハーバード大学の神経科学研究によると、共感性に関連する脳領域(扁桃体)の活動低下がサイコパシー傾向と関連していると報告されています(Harvard University, 2018)。また、雑誌「Nature」に掲載された論文では、意思決定力と冷静さに優れるサイコパシー傾向者が組織内で成功しやすい可能性も示唆されています(Nature, 2020)


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