薬草の煎じ方
民間療法での薬の用い方には
- 煎じて服用する方法
- 粉末にして服用する方法
- 黒焼きにして服用する方法
- 生葉の絞り汁や煎汁を塗る方法
- 湿布、薬湯など
様々あります。
その中で最も多いのは煎じて服用する方法です。
薬は煎じ方や飲み方など正しく用いなければ期待通りの効果は得られません。
煎じ方は薬を水などで煮て、その成分をしみ出させることですが、初めから湯を用いるのではなく清浄な水から煮ていきます。(水は重要です)
容器
土瓶などの陶磁器かガラス製のものが一番良い。
ホーローびきやアルミのやかんでも構いません。(陶磁器を用いる場合よりさらに火を弱くしてください)
鉄や銅製の容器は避けてください。
火については炭火が良いのですがガスでも構いません。(ガスを使う場合は弱火にします)炭火の場合は煮詰まるまで1時間以上かかります。
順序
1.1日分の薬をばらして容器に入れ、水を加える。水の量は大人で3合(540㏄ )ぐらいが普通です。
2.火にかける。火は中火よりやや弱火にする。10分~20分で沸騰してきたら、火をさらに弱くして煮こぼされないようにする。軽く煮立つ程度にする。(このとき容器の蓋は取っておいても良い)
3.40~50分かけて水の量が約半分になるまで煮つめる。(症状が重く少量しか飲めない場合は1/3くらいまで煮つめた方が良い)
4.煎じ終わったら、すぐに茶こしかガーゼなので煎じカスをこしておく。カスを入れたままにしておく効果が落ち、煎汁の中に出た成分が元に戻ってしまうこともあります。
(煎じカスをもう一度煎じことは避けたほうがよい)
飲み方
薬は毎日煎じて、その日のうちに飲むのが良いです。
夏以外は前日に煎じたものを飲んでいいですが、冷蔵庫などに入れておく必要があります。
1日量を3回に分け食前、食間に飲むのが普通です。
空腹時に飲めば薬の吸収が良い為です。
忘れた場合は2回分を一度に飲んだり食事直前に飲んだりしないようにしてください。
煎汁は温めて飲むのが普通です。
吐き気のある時や出血しているときは冷たいものを少しずつ飲むようにします。
また風邪の時や発熱、下痢の時は熱いものを飲みます。
子供に飲ませる場合の適当量は10歳で大人の1/2、6歳で大人の1/3、3歳で大人の1/4が目安です。
急性病の場合は3日間ほどで効果をみますが、体質の改善や病気の予防目的とする場合は、長期的に捉え、少なくとも年単位で考えて服用してください。
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