【中学生】以上に知ってもらいたい短歌。『小高 賢』

ゆきつばき

小高 賢(こだか けん)

1944~2014年 東京出身。日本の編集者。歌人。本名:鷲尾賢也。 

1978年「かりん」創刊に参加。家族という場所を理念 として捉え、その日常性を拠点としつつ、 自らの存在の現代的リアリティを追求する 歌人として知られる。

歌集に『耳の伝説』 『家長』『太郎坂』『怪鳥の尾』

評論集に 『批評への意志』『宮柊二とその時代』ほか。

洋燈ランプのことそのいくばくの明るさの近代の夜を子は問うている 『耳の伝説』

仰向けになりておもえりわが年齢としに父はいかなる夕日を見しや『耳の伝説』

 鷗外の口ひげにみる不機嫌な明治の家長はわれらにとおき『家長』

職階とは端的なれど地位に応じ椅子のかたちの異なるをいう

つねに敗者の立場に立ちし言説をいやしきものとこの頃おもう

父の座に子の坐る日を仏壇にわれは他界の父としてる『太郎坂』

またわれはみだれを見せる拒否の眼の庶務の女性にものたのむとき 『怪鳥の尾』

 

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