【中学生】以上に知ってもらいたい短歌。『小島 ゆかり』

雪と笹

小島 ゆかり(こじま ゆかり)

1956年~  愛知県出身。 歌人。本名:横井 ゆかり。

1978年「コスモ ス」に所属。1985年 「桟橋」創刊に参加。生活のさりげない光景と出会う一瞬に生じる詩情を、清澄な感覚的表現を用いて端正に歌う歌人として知られる。

歌集に『水陽炎』『月光公園』『ヘブライ暦』『獅子座流星群』ほか。

ひとり来て川を覗けば尾のごとくしづかに垂れてわが冬の影『水陽炎』

椎の木の高さを越えてひびく声あるとき子らは天にゐるなり 『獅子座流星群』

青梅雨の中あゆみ来て会ふ友の声うるほへり傘の内にて『水陽炎』

まだ暗き暁まへをあさがほはしづかに紺の泉を展く

鯉のを陽が照らしゐる春まひる水の時間はゆるらに冥し『月光公園』

ゆふぞらの桐のむらさき見てあればわれに白歯しらはのあることあや

六まいの玻璃みがきをへそれよりのわたくしに添ふ六まいのひかり

かたつむりは冷たき夏の舌ならんまひる密なるしづけさのなか『ヘブライ暦』

 

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